同じく、昔から痔や便秘の改善に利用される「ドクダミ」にも、花粉症の予防効果があるという。「ドクダミの薬効成分は、乾燥させるとほぼ失われてしまうので、お茶としてではなく、ドクダミの生葉の臭いを嗅いだり、手で揉んで鼻に詰めたりするのがよいでしょう」(前同)

 ここまで予防効果のある民間療法を見てきたが、シーズン到来後の対症療法に効果が期待できる民間療法も紹介しておこう。まずは、コアラのエサで有名な「ユーカリ」から抽出した油のアロマテラピー(芳香療法)。中国の漢方薬とは少し違うが、イギリスでは、ユーカリの油が咳、気管支炎、インフルエンザなどに効く医薬品として利用されているのだという。

「呼吸器系の炎症、免疫調整作用などの成分があるとされます。コップのお湯に1~2滴を落として湯気を吸い込む方法や、入浴剤として使う方法がありますが、花粉の季節は、マスクに染み込ませれば即効性も期待できます」(同)

 お次は、「太白ゴマ油」を点鼻するというもの。ゴマ油といえば、茶色いゴマ油が一般的だが、焙煎せず無色透明のこらちも、スーパーなどで販売されている。これをスポイトで左右の鼻に5~10滴たらし、5~10分染み込ませ、喉に降りてきた油は口にためて最後に吐き出す。終わったら、鼻をかみ、うがいをする。

「使うときは、必ず火にかけて100度以上に熱したものを冷まして、フキンなどで漉(こ)してから使ってください」(同) これは、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」の手法に基づくもの。簡単にいえば、油で鼻の中をコーティングして花粉をブロックしてくれるのだそうだ。

「花粉症以外でも、頭痛や目の痛みをはじめとする“首から上の症状すべて”に使えます」(同) 民間療法も捨てたものではない。これで医者や薬に頼らずとも、花粉シーズンを乗り越えることができると言いたいところだが、前出の桑満院長が言う。

「効果の個人差は大きいですし、民間療法の中には怪しいものもありますから、その点はご注意ください。それから、すでに別の病気で受診をされている方は、これらを試して大丈夫かと、相談されたほうがいいと思います。また、症状が重い方は、やはり医療機関の受診をお勧めします」

 これらを肝に銘じ、自分に合った民間療法を見つけて、花粉症の季節を乗り切ってもらいたい。

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