アパホテルに中国激怒「弾が飛ばない戦争」舞台裏の画像
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“アパホテルお断り!”中国政府が一民間企業にふっかけたケンカが、波紋を広げている――。

「ことの発端はアパホテル内の客室に置いてある書籍です。これが“南京事件を否定する内容だ”と中国人観光客がSNSにアップしたところ、大炎上。これを中国外務省の報道官は“歴史を歪曲しようとする勢力がいる”と同ホテルを批判し、歴史問題のカードとして利用する構えを見せたんです」(中国在住ジャーナリスト)

 中国側の対応は早く、1月24日には中国の国家旅遊局が、国内の旅行業者や宿泊予約サイトに、アパホテルの利用停止や広告の撤去を要求した。「観光客にも同ホテルを利用しないよう呼びかけていますが、他国の言論の自由にも圧力をかけるのは、異常と言えますね」(前同)

 だが、当のアパホテルは中国の理不尽な圧力に徹底抗戦。本誌取材に、ホテル側の担当者はこう回答した。「内容に対する根拠なき批判によって、本書籍を撤去するようなことがあってはならないと考えています」

 渦中の書籍とは、アパホテルの元谷外志雄代表(73)が“藤誠志”のペンネームで執筆した『理論近現代史学2 本当の日本の歴史』。

 <民間人など三十万人も虐殺したなどという『南京大虐殺』は、この攻略時の南京の人口が二十万人、一か月後の人口が二十五万人という記録から考えても、あり得ないことだ>

 <(原爆を投下した)アメリカは日本を悪い国に仕立て上げる必要があった。そのために捏造されたのが、東京裁判で告発された『南京大虐殺』だ>

 こうした記述が、中国側からヤリ玉に挙げられているのだ。これに、中国近現代史に詳しい明星大学戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏は、こう語る。「南京大虐殺について、中国では義務教育で30万人が日本軍に虐殺されたと、教えているわけですが、一般的な歴史観では規模はその10分の1程度。あるいは虐殺は架空だったという学説もあるほどです」

 同氏は、著書『安倍談話と朝日新聞』では<南京事件は中国国民党と占領軍(GHQ)のプロパガンダである>と断じている。

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