リリーフ陣にも逸材はいる。特に太鼓判を押されているのが、松井裕樹(21=楽天)だ。「則本と同様、174センチと身長は高くありませんが、左腕であることが魅力。ストレート、スライダー、カットボール、チェンジアップと多種多様な変化球で、空振りが取れる。メジャーは、常に左投手を求めています。松井タイプの選手は、今すぐに欲しいはずですよ」(福島氏)

 日本人投手の多数がメジャーで大活躍する一方、野手勢は一部の例外を除いて、なかなか高く評価されていない現状はあるが、別格の選手がいる。それが、筒香嘉智(25=DeNA)だ。「とにかく、体のサイズがいい。スイングのスピードも速く、軸がブレない。動くボールにも対応できるし、逆方向にも打てる。“第二の松井秀喜”と期待されるほどです」(前同)

 2015年、ドミニカのウインターリーグに参加した際は、カタコトのスペイン語も話していたという。「適応力」はバツグンだ。

 それなら、巨人の“ヤンチャ主将”坂本勇人(28)はどうか。「以前からメジャーでも注目の選手ですが、大きな話題にならない。彼のポジションも、ネックになっているようです」(同) 坂本の本職はショートだが、メジャーで日本人のショートが成功した例はない。このままでは無理か!?

 2年連続で“トリプルスリー”の快挙を成し遂げた山田哲人(24=ヤクルト)も、ポジションが問題だ。セカンドを守るが、「少し守備に難がある。いくら打てても、守備が良くなければ、メジャーは欲しがりません。“動くボール”への対応に問題があるのもネック。メジャーのスカウトに評価されるには、外野へのコンバート、そして“動くボール”への対応が必要になるはずです」(同)

 そんな中、WBC開幕以降、急激に評判を高めているのが菊池涼介(27=広島)。「キューバ戦のピンチを救った初回のファインプレーで、守備力の高さを証明。2番打者として2安打で勝利に貢献。菊池株はストップ高です」(前出のデスク)

 すでに、メジャーの強豪球団が菊池を「獲得したい選手」の上位にリストアップしているらしい。一部の報道では、「5年30億円」という数字まで……。「大谷、筒香、菊池が近い将来、海を渡るのは確実。投手ではメンバー入りしたすべてが、メジャー行きの候補です」(前同)

 決勝ラウンドに向けて盛り上がるWBC。その中で、スカウトたちは虎視眈眈と目を光らせている。

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