『ニュース7』のキャスターを丸9年務め上げ、今春から『クローズアップ現代+』に異動。人気、実力、知名度ともにNHKを代表する存在になった武田アナ。そんな彼が報道畑一筋というお堅いイメージを覆してみせたのが、昨年大晦日に『NHK紅白歌合戦』の総合司会を務めたときのパフォーマンスだ。

 昨年、大ヒットした映画『シン・ゴジラ』をパロディにしたコーナーで、武田アナは大真面目に“ゴジラ上陸”の模様を実況中継。さらにピコ太郎の『PPAP』をもじった“ゴジラマイク”を披露したのだ。

「あれはぶっ飛びましたね~(笑)。安定感と好感度ではNHKナンバーワンの武田アナに、あんなお茶目な一面があったなんて。しかも、やらされてる感なしに本人が心から楽しんでいるのが伝わってきた。あれで女性ファンが一気に増えたと思いますよ」と、芸能リポーターの川内天子氏も、武田アナを絶賛する。

 定評のある声の良さ、滑舌の良さに加えて、パフォーマンスも一級品とくれば鬼に金棒ではないか。「ああ見えて、武田アナは熱血漢ですからね。熊本地震のときには“私も熊本出身です”と明かし、故郷への熱い思いを語ったことも。学生時代はバンド活動に熱中し、今でもザ・フーなどの大ファンだというのだから侮れませんよ」と言うのは、テレビ評論家の織田祐二氏だ。

「『クローズアップ現代+』がNHKでの最後の仕事」と公言している武田アナだけに、NHK卒業後の姿を早く見たいという視聴者は少なくないはずだ。その武田アナとNHK入局が同期の阿部渉アナ(49)も、“ポスト宮根・古舘”の有力候補。今年4月に『おはよう日本』から、新番組『ごごナマ』の司会に異動したのも、NHKの期待の大きさの表れだという。

「ニュース、音楽番組と硬軟自在の阿部アナですが、良くも悪くもNHK的。人柄がよく、アクの強くないところが魅力なんですが、じゃあ民放で見たいかと言われるとちょっと……」と前出の川内氏が言えば、やはり前出の織田氏は、「阿部アナのモットーは“SONG IS LOVE!”。いい年したオッサンがなかなか吐けるセリフじゃありません。ロマンチストなんでしょうね。オフコースの大ファンだという阿部アナですが、実は根強いヅラ疑惑があります。いつか『君が、嘘を、ついた』(オフコースのヒット曲)なんてことにならなきゃいいんですが(笑)」

 まずは、視聴率2%台に低迷する『ごごナマ』を立て直すのが目下の課題か。

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