■喫茶店マスター「地元密着で常連客をつかめるか?」
就労1~3年の推定年収/100~300万円

 老後は、のんびり喫茶店のマスターをすることを夢見ている人も多いだろう。最近はカフェチェーン店など、ライバルは多い。そんな中で生き残るのは、いかに常連客をつかむかによる。

「私は脱サラして自家焙煎の珈琲店を、スナックだった店を居抜きで借りて開業しました。珈琲専門店にしたのは、料理も出す喫茶店は手間もかかるため、うまい珈琲に特化しようと思ったから。開業資金は500万円ほど。お金がかかったのは珈琲の焙煎機。これが200万円以上。あとはテーブルや椅子など。開店して1年ほどで、お年寄りを中心に、地元の人が、それなりに入るようになりましたね。若者が少なく騒々しくないのがいいようです。年収は300万~400万の間。増えもせず、減りもせずって感じ。9時から7時まで、のんびり商売してます」(5年前にカフェを開業したSさん)

 一度、地元に定着すれば、ある程度収入は計算できる。それまで頑張れるかが鍵のようだ。

■作家「小説家の5年生存率は5%!?」
就労1~3年の推定年収/0~2000万円

 芸人だって、芥川賞を取れるなら俺だって……小説を書いて作家デビュー! と、うまくいっても大変なのは、実はそこから。新人の作品が出版される場合、数千部からスタートする場合がほとんどだ。

 作家の印税とは出版された本1冊に対する収入で、おおむね10%程度。たとえば、1冊1500円の本を5000部刷ったとして、印税は75万円。年収300万円くらいの収入を得ようとすると年に4冊は本を出さなければならない。しかし、新人が年に4冊というのは至難の業。それに、デビュー作、2作目がそれなりに売れなければ、後の執筆オファーもないのだ。

 出版社で文芸を担当する編集者が語る。「デビューが決まった作家さんには、まず本職は絶対に辞めないように言いますね。当たれば数千万や億だって稼げますが、そんな人はめったにいませんよ」

 作家がデビューして、5年生存率は約5%ともいわれている。まさに才能がすべての厳しい世界なのだ。

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