桑野「おいおい、ダメだよ。俺に惚れんなよ(笑)」

ゆま「アハハ、すみません。ウットリしちゃいました」

桑野「まあ一応、俺は音楽が本職だからね!」

ゆま「そうですね。どうしてもバカ殿の爺の印象があったので、音楽家の一面を見せられたとき、キュンときちゃったんです」

桑野「そう(にんまり)?」

ゆま「桑野さんは音楽を始められて、もう何年ぐらいになるんですか?」

桑野「今年で37年目だよ。4月に還暦だったからね。リーダー(鈴木雅之)から赤いトランペットまでもらっちゃったよ(笑)」

ゆま「鈴木さんとは、幼稚園の頃から一緒だったんですよね?」

桑野「そう。幼稚園も小学校も中学校も一緒だった。高校はあいつ、人よりも頭がいいから辞めちゃったんだけど(笑)」

ゆま「すごい……子どもの頃からの友達と、ずっと一緒に何かをやっているって、羨ましいです」

桑野「バスボーカルの佐藤(善雄)さんも、幼稚園からずっと一緒だよ。確かに幸せだよね。しかもリーダーは、今年も芸術選奨文部科学大臣賞をもらってたよね。俺たちのリーダーが第一線で活躍してくれているのは本当にうれしいし、励みになる」

ゆま「やっぱりステキ。男同士の友情もいいですね」

桑野「男はね~、男同士でしか話せないことも多いんだよ。俺は、よく飲みに行く居酒屋を“男の愚痴酒場”って呼んでいるんだけど、これがいいんだよ」

ゆま「愚痴をこぼすの?」

桑野「そう。男はね、女房や彼女には言えないことが多いんだよ。女の前で口に出すと、男らしくないからグッと我慢しているだけ。でも、男同士なら愚痴もこぼせるんだよ」

ゆま「桑野さんも愚痴があるの?」

桑野「あるよ。うちの女房は俺を旦那だと思っていないね。ただの都合のいいオジサンだと思っている! 俺の部屋もないしね。肩身が狭いんだよ……自分の家なのに、エコノミー症候群になりそうだよ(笑)」

ゆま「アハハ。奥さん側の“旦那のココがイヤ”という話はよく聞くけど、男性の愚痴はあまり表に出てこないですもんね」

桑野「だろ? 本にしたいぐらいだよ」

ゆま「すごく読みたいけど、ちょっと怖いですね~(笑)。あっ、そろそろ時間のようです」

桑野「あっという間だったね。初めてだよね、こんなにたくさん話したのは」

ゆま「はい。舞台中はゆっくりお話する機会もなかったので、楽しかったです」

桑野「こちらこそ。じゃあ、また『志村魂』で。お互い、頑張りましょうね!」

桑野信義 くわの・のぶよし
1957年4月4日、東京都生まれ。75年、鈴木雅之らとともに『シャネルズ』を結成。『ランナウェイ』ほか、数々のヒット作を生み出す。83年、グループ名を『ラッツ&スター』に改名、『め組の人』が大ヒットとなる。80年代後半からバラエティ番組にも出演し、『志村けんのバカ殿様』(フジ系)は現在もレギュラー出演を続ける。

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