というわけで、その歯周病の疑いがあるかどうか、以下のセルフチェックをしていただきたい。

●朝起きたとき、口がねばねばする
●歯を磨いたり、物を噛んだときに出血する
●冷たい飲み物や食べ物、あるいは空気がしみる
●歯肉が腫れ、痛みがある
●食べ物が歯の間によく挟まる
●口臭がする
●歯茎が下がり、歯が長くなったように見える
●固い物を噛むと歯がグラグラする

 あなたはいくつ当てはまっただろうか。田北氏によると、4つ以上該当する項目のある人は、すぐに歯科医に受診してほしいという。繰り返しになるが、歯周病の原因は歯垢であり、森氏も田北氏も歯磨き以上に、デンタルフロスや歯間ブラシの重要性を話すのは、このためだ。

 では、どんな歯ブラシ、歯磨き粉、デンタルフロスを使えばいいのか。森氏は、歯ブラシについて「毛が硬めのものはNG」としたうえで、「同じ歯ブラシをずっと使い続けると菌が繁殖するので、1か月を目安に替えてほしい」とも付け加える。

 デンタルフロスは、使い慣れていない人にはホルダータイプの細めのものを推奨する。これは、歯茎を痛めないためだという。歯磨き粉は、すでに述べたように歯を削ることにならないよう、研磨剤が入っていないものを選ぶべきだという。それどころか、「歯磨き粉を一切使わず、水だけでも十分」とも言うのだ。

 一方、田北氏は、「歯ブラシは、大きめのものはしっかり磨けないのでやめてください」としたうえで、「人によって歯の状態はまったく違います。歯磨き粉ひとつとっても、歯周病の進行具合などによって変わってきますから、一概に言えません。ですので、まずは歯科医に診てもらい、指導を仰ぎましょう」と続けるのだ。

 ちなみに、都内の歯科医院に勤務する歯科衛生士に、ふだん使っている歯磨き粉を尋ねたところ、次のように教えてくれた。「私の場合は、『スーパースマイル』と『コンクール』を使い分けています。スーパースマイルは、独自の研磨成分で歯を傷つけずに表面の着色汚れを落とすことができ、歯垢除去力は通常の歯磨き粉よりも、かなり期待できます。一方のコンクールは、研磨剤と発泡剤が入っていないので、歯を傷つける心配がありません。その一方で、歯周病菌の殺菌が期待できる成分と、虫歯予防が期待できる高濃度のフッ素が配合されています」

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