【5位】弟切草 蘇生篇
チュンソフト(1999年)

サウンドノベルであっても視覚に訴える演出が大事

 深夜のドライブをするカップルがひょんなことから洋館に入り、奇妙な出来事から驚愕の真実へとたどり着く。元はスーファミの作品で、テキストベースのシナリオとおどろおどろしいグラフィック、そして迫力のあるサウンドで背筋も凍る恐怖を演出していた。それがプレステに移植されて、グラフィックやサウンドが進化するだけでなく、分岐テキストの量が膨大に増え、場面によっては主人公視点だけでなくその恋人の視点でストーリーを楽しむことができるようになった。スーファミ版にあったギャグと紙一重のグラフィックが改善されたことで、間違いなく恐怖度が増した。

【4位】エコーナイト
フロム・ソフトウェア(1998年)

亡霊の願いをかなえながら真実を求める旅を繰り返す

『キングスフィールド』でプレイヤーに即死の恐怖を植えつけたフロム・ソフトウェアの、プレステ初期の名作。3Dマップを主観視点で移動していく基本スタイルは『キングスフィールド』と同じで、謎を解いていくアドベンチャー。突如現れる魂や襲ってくる人から、いかにして逃げるかがポイントとなる。暗い部屋に入って無防備にしていると魂が襲ってくるため、まずは電気のスイッチを探してつける必要がある。突然さまざまな場面に飛ぶため、自分が何者で何をしているのか、果たして自分は生きているのか、逃れられない現実と戦っていく。

【3位】CLOCK TOWER 2
ヒューマン(1996年)

逃げても隠れても現れる迫りくるシザーマンの恐怖

 スーファミ用に登場した初代『クロックタワー』は、サイドビュー視点で殺人鬼「シザーマン」からひたすら逃げるパニック系のアドベンチャー。それがプレステになり、3D表現とストーリーが強化されたのが本作。前作のストーリーや設定を引き継ぎ、大量殺人が起きた『クロックタワー』事件が調査される中で、再び悪夢が訪れる。閉鎖されたクロックタワーから恐怖が世に放たれ、再び現れたシザーマンが人々を襲い始める。プレイヤーは恐怖と戦いながら真相を解明していく。エレベーターに乗って逃げるときに迫りくるシザーマンは、何度見ても戦慄してしまう名場面だ。

【2位】サイレントヒル
コナミ(1999年)

見えないときに浮かぶ想像が、不安と恐怖を増幅していく

「一寸先は闇」ということわざがあるように、闇には独特の怖さがある。その一寸先の恐怖を再現したかのようなゲームがまさに本作。突如迷い込んだ町は霧で先が見えず、夜は底なしの闇に飲み込まれた様相。離れ離れになった娘を見つけるため急いで方々を探索したいが、霧の先には見たことのないクリーチャーが存在し、不意に襲ってくるため、不用意には移動できない。武器は限られているので、容易に撃退することはできず、逃げようにも目の前の道路は分断されて先に進めない。広い空間なのに視界が制限されただけで独特な恐さを体験できる。本作には視界を起点にした恐怖の発明が詰まっている。

【1位】バイオハザード
カプコン(1996年)

プレステ時代に誕生した、新しいホラーの形!

 サバイバルホラーといえばまず思い浮かぶのが今作。最近はすっかりサバイバルアクションと化した印象の強い『バイオハザード』シリーズだが、本作ではしっかりとホラーをしている。ゲーム冒頭の実写ムービーも、最初に現れる振り返りゾンビも、プレイしたすべての人にいろんな意味でトラウマを植えつける。体力は少ないがアイテムをたくさん持てるジルと、戦闘能力が高いがアイテムをあまり持てないクリスのどちらを選ぶかで、ゲームの進行は変わる。どちらにしてもゾンビが出てきたからといって、バンバンと銃声を鳴り響かせていると、すぐに弾切れになる。ダッシュでゾンビをかわして安全地帯まで逃げるなど、いかに生き残るか常に考えながら行動せねばならない。洋館というシチュエーションや、扉を開けたり階段を登ったりするような基本的な行動に特殊な演出を入れるなど、恐怖効果に抜かりなし。カメラワークと適度に困難な操作や、セーブ用のインクリボンが限られているなど、今では不親切ともいえる仕様もプレイヤーに緊張感を与えた。なお、本作は、プレステだけでも他にディレクターズカットとデュアルショックバージョンが存在し、多機種でリメイクされているため、より親切なバージョンが多数存在するが、オリジナルの怖さはここでしか体験できない。

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