5位 グランツーリスモ
ソニー・コンピュータエンタテインメント(1997年) 約219万本

プレステ普及に一役買った超リアルなレースゲーム!

 ゲームハードのメーカーとしては、ハード性能の“実力”を見せつけるようなタイトルで、ライバルに差をつけたいところ。プレステの本家であるソニーが1997年にリリースした、当時最新の3D技術を駆使したカーレースゲーム『グランツーリスモ』は、その期待に100%応えるタイトルだった。実在メーカーの協力を得て、実車を可能な限り忠実に再現し、ゲーマーのみならずカーマニアからも高い評価を得るに至った。これが国内で約219万本を売り上げる大ヒットとなり、ソニーの屋台骨を力強く支えた。現在に至るシリーズの累計売上本数は、世界で7000万本を上回るというのだから驚きだ。

4位 ファイナルファンタジーIX
スクウェア(2000年) 約271万本

新世代の3DCG描写でキャラをかわいらしく描いたシリーズ第9作

 初代プレステにおける『FF』ナンバリングタイトルを締めくくる作品として約271万本を売り上げた。この『VII』『VIII』『IX』の3部作に、「インターナショナル」などのバージョン違いを含めると売上は1000万本にも及ぶというのだから、当時の『FF』の持っていた影響力の大きさがうかがえる。ポリゴンらしからぬ曲線美を手に入れた美麗なグラフィックは初代プレステの最高峰とも。本作の開発は『X』『XI』と同時に発表されているが、この『IX』では、剣と魔法の世界への“原点回帰”をうたっている。プレステ2で発売される『X』との差別化がポイントだったといえる。

3位 ファイナルファンタジーVII
スクウェア(1997年) 約328万本

ショッキングなシーンで印象の強さはシリーズ随一

 約328万本を売り上げ、初代プレステで初のトリプルミリオン達成作となった『FFVII』といえば、ライバル機との競争でプレステを勝者にした最大の立役者。本作以降、3DCGによる演出がRPGで当たり前になり、当時の業界人からは「ゲーム制作費を押し上げた」という恨み節さえ聞こえてきたほどだ。SFの世界観を盛り込んで好評を博した『FFVII』だが、ゲームシステムに加えられた改良の最大のポイントは「マテリア」で、これによりキャラクター育成のレパートリーが広がった。「チョコボレース」などやりこみ要素も多く、100時間遊べるゲームだった。

2位 ファイナルファンタジーVIII
スクウェア(1999年) 約350万本

舞台は学園に!ラブロマンスに日本中が熱狂

 3作がリリースされた『FF』ナンバリングタイトル中で、単独で最も売り上げたのが『VIII』だった。本数は国内で350万本に及ぶ。これには、コンビニを販路とする「デジキューブ」の貢献も大きかったといわれている。『VII』で確立した3D視点での移動と、おなじく3Dビューのアクティブタイムバトルを踏襲。召喚獣にあたる「ガーディアンフォース」を戦略的に使いこなして攻略していく。特徴的なのが、仲間のレベルが上がるほど、出現する敵のレベルも上がるというシステムで、このために「経験値を稼いでサクサク攻略」ということができなくなり難易度が増した。

1位 ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
エニックス(2000年) 約389万本

遅れに遅れた発売日も売上は『FF』を超えて1位!

 推計で国内約389万本を売り上げた『DQ』の第7作は難産のたまものだった。1999年の年明けに「今年こそ」と意気込むコマーシャルが放映されるも、発売されたのは翌2000年の8月となる。このほかに、SMAPが登場するコマーシャルも話題になった。次世代機デビューの時期では、当時最大のライバルであった『FF』シリーズに大きく先を越され、ハードウェア戦争の勝敗を決することになる「キラータイトル」としては出遅れた感があった『DQVII』だが、売上では堂々の1位に輝いており、さすがというほかない。

 プレステの高性能の活用法をグラフィックのフルポリゴン化などに見出した『FF』シリーズと対照的に、本作では、CD−ROM2枚組の豊富な容量が、冒険のボリュームや、職業、特技のレパートリーをとにかく増やすことに充てられている。ドット絵のグラフィックをメインにしたのも、『FF』への対抗心からだったのかもしれないが、戦闘シーンなどのグラフィックは当然、前作『VI』から大きな進化を遂げている。

 さて、本作の持ち味である圧倒的なボリュームには賛否両論がある。「石盤集め」の旅ではさまざまなサブストーリーが登場するのだが、とにかく石盤の数が多く、ストーリーが長い。鬼のような難易度のファミコン版『II』と並んで、「挫折(ざせつ)したDQ」に挙げられることも多い。

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