近年、なぜか全国的に人気のたこ焼きチェーンにも、裏メニューが存在する。
「築地銀だこのたこ焼きは、カリッとした食感を出すため、仕上げに油をかけて揚げ焼きにしています。これはこれで絶品なんですが、本場、大阪のふわふわのたこ焼きとは別物。ですが“揚げないでください”とオーダーすれば、本場のふわふわ食感を楽しむことができるんです」(徳山氏)
頼んでみると、確かに子どもの頃に縁日で食べたような、うっかりすると破れてしまいそうなふわふわ食感。思わず「これや!」と声が出てしまった。が、提供に通常より長めの15分ほどかかったため、時間のない方は要注意かもしれない。
最後に、そばチェーンをこよなく愛する徳山氏が、最近ハマっているという裏メニューをお教えしよう。
「これは裏メニューというよりトッピングの工夫なんですが、富士そばの“コロッケそば”を使って、“コロッケポタージュそば”というのを楽しんでます。通常、コロッケそばには汁そばにコロッケが一つだけついていますが、これに、お好みであと2~3個コロッケを追加。そして、汁でふやけたコロッケをガシガシとバラすんです。そのうち、具のマッシュポテトが汁をいい感じに吸ってきて、ドロッとしたポタージュ状になるんですが、これをそばに絡めて食べると絶品ですよ」
実際試してみると、富士そばのコロッケは三色のミックスベジタブルを使っているため野菜を食べた気にもなるし、ふやけた衣がやや肉っぽい食感でもあり、確かにいつものそばとはまったく違う、初体験の美味。具が溶けた汁も、思わず全部飲んでしまった。
「日本のチェーン店文化は奥が深いですからね。“今日は○○でいいか”という消極的な選択でなく、“攻め”としてチェーン店を選べば、新鮮な楽しみがありますよ」(徳山氏)
いつもの店でガラリと違う体験ができる“裏メニュー道”。ぜひ一度、踏み込んでみてはいかがだろうか。