野球バカ一代の甲子園「歴史的1日」観戦記【前編】の画像
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 大いに盛り上がった甲子園も、花咲徳栄(埼玉)が広陵(広島)を破り、埼玉県勢初の優勝で幕を閉じた。高校野球ファン歴30年の“野球バカ記者”セキネは、決勝に残った2校の1回戦を生で観戦することができた。特に広陵が出場した日は、歴史に残る“歴史的な一日”となった。甲子園にどっぷり浸かった一日のレポートをお届けしよう。

 野球好きライターのSさんに誘われ、8月10、11日に甲子園に行くことに。雨で一日順延になった、11日の対戦カードがすごかった。

広陵(広島)―中京大中京(愛知)
横浜(神奈川)―秀岳館(熊本)
興南(沖縄)―智弁和歌山(和歌山)
大阪桐蔭(大阪)―米子松蔭(鳥取)

 ベスト8といわれてもおかしくない。優勝経験5校(中京大中京、横浜、興南、智弁和歌山、大阪桐蔭)に、準優勝経験のある広陵、3季連続甲子園ベスト4の秀岳館が勢ぞろいしたのだ。ラッキーな反面、球場に入れるのかという不安も……。

 10日の朝に甲子園入りし、1試合目の最終回から4試合目の途中まで観戦。第2試合に花咲徳栄が出場していた。実は、記者は埼玉県出身。高校時代は野球部に所属していたのだが、一度公式戦で花咲徳栄と試合をしたことがある(ボコボコにされたが……)。その縁(?)もあり、応援していたのだが、甲子園常連校となり、風格を感じた。

 この日は3塁特別自由席で観戦。一日中ずっといても1500円。もし子どもの頃に関西に住んでいたら、毎日行っていたことだろう。第1試合の途中から、第4試合の途中まで観戦して、いくつか分かったことがある。

【1】3塁より1塁で観よ!
(3塁は昼過ぎから日陰がなくなるため)
【2】短パンは危険!
(日ざしを浴びて、やけどに近いくらい焼ける。油断していると膝が真っ赤に!)
【3】タオルでしのげ!
(首や膝を太陽からガード)
【4】かちわりで体を冷やせ!
(Sさんは毎回2個ずつ購入。1個200円)
【5】甲子園カレーに期待するな!
(550円という安さの通り)

 暑さをなめてはいけないと身を持って思い知らされ、8月11日、いざ「伝説の1日」に挑む。おそらく相当な混雑が予想されるので、始発で行くしかない。ただ、中年二人は前日、一日中外にいたことで体力を激しく消耗していた。そこで、ホテルからタクシーで向かうことに。お盆の混雑により、宿泊先は新大阪。甲子園まで遠く、出費は痛いが、少しでも体力を温存しないと乗りきれない気がしたのだ。

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