第1試合が終わり、カオスな状況になっていた。座席の前の通路は、トイレに行く人、席に戻る人、動かない立ち見の人で身動きがとれない状況に。午前中からすでに30℃を超えていたにもかかわらず、記者は飲み物が尽きてしまっていたが、これでは飲み物も買いに行けない。Sさんも1時間前に買って、ぬるま湯になったかちわりのみ。気づけば紺色のTシャツは、汗(潮)で白くなっていた。

 試合開始まであと5分を切っていたが、目の前の通路はまだ大混雑。売り子さんが来る気配もない。後で分かったことだが、外野席は試合前~3回、そして試合終盤は売り子さんがやってこないのだ。「脱水症状に気をつけてください」とアナウンスが流れるが、どうすればいいんだ! 命の危険を感じ始めたので、とりあえず避難しよう。

 階段を下り、売店が並ぶ通路スペースに行くと大型のスポットクーラーがあり、涼を求めて多くの人が集まっていた。 まさに甲子園のオアシスだ! クーラーの前に陣取っていると、試合が始まったようで、観客席から歓声が聞こえる。だが体が動かない。戻りたくないとさえ思っていた。

 少し体力が回復したところで、今度は飲み物を買うため売店に並ぶ。かなりの列だ。飲み物を買うだけなのに……と思っていると、記者の前に天使(売り子さん)が現れた。すると、彼女の前に人が殺到し、ものの1分で売り切れ。売り子さんは、通路ですべて売り切ったのだ。そこでは買えなかったがすぐさま別の売り子さんが現れ、凍ったスポーツドリンクと麦茶を購入。キンキンに冷えてやがる!

 Sさんの分の飲み物も買い、急いで席に戻ると、秀岳館が3―0とリードしていた。ところで、3回以降はどんどん売り子さんがやって来る。なので、外野席で観戦する際は、売り子さんがいるうちに余分に買っておくといいかもしれない。

 試合は、横浜の強力打線が、秀岳館のエース左腕川端健斗投手を打ち崩せない。5回に1点を返すも、終始、秀岳館ペース。その秀岳館打線も爆発しきれずにいたが、終盤の7回に二死からチャンスを作り2点を追加。ダメ押しかと思われたがその裏、横浜は代わった秀岳館の田浦文丸投手を攻めたてる。5番の万波中正選手がつなぎ、6番の福永奨選手が反撃の3ラン。2点差にしたが、それでも秀岳館の田浦投手からは焦りが見えなかった。集中打ではなかったし、チェンジアップの手応えをつかんでいたのだと思う。

 8、9回はお互い0が並び、6―4で秀岳館が横浜を振り切った。終盤でも集中を切らさないあたりは、さすが両校とも強豪校。だが、記者の集中力は切れていた。暑さと疲れで後半の記憶があまりない……。【明日公開の後編に続く】

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