そして、ここにきて、さらなるテコ入れも。日本ハムからウエーバー公示されていたルイス・メンドーサを、期限ギリギリの8月30日に申請し、獲得したのだ。「昨年の日本シリーズでの5回2/3無失点という“超ロングリリーフ”も記憶に新しいメンドーサが額面通りの働きを見せれば、短期決戦を控え、メッセンジャーを補って余りある戦力になるかもしれません」(前出の在阪記者)

 2位キープは言うに及ばず、展開によっては意外な結果を呼び起こす可能性もゼロではないのだ。

DeNAは今、最もイケイケで不気味!

 とはいえ、広島を追う3チームの中で、今、最も勢いがあるのは、3位のDeNAだろう。「とにかく、ここは伝統的に打撃がすごい。今季もチーム打率.254、チーム得点509、チーム本塁打111と、いずれも広島に次ぐリーグ2位です」(前出のスポーツ紙デスク)

 調子の“ムラ”が不気味な横浜4番のロペス、現在首位打者を狙える位置にいる宮崎敏郎、トップバッターながらホームラン13本、得点圏打率.296と絶好調の切り込み隊長、桑原将志。打線のどこからでも火がつく打力こそが最大の持ち味。「開幕当初に“WBC病”に陥っていた筒香嘉智も完全復活し、広島に3連続サヨナラという離れ業で3タテを食らわすなど、間違いなく、今、最もイケイケですね」(前同)

 ここ数年は“打高投低”傾向。投手力に悩んできたが、今季は投手力もかなり向上しており、せっかくの勝ち試合を投手がぶち壊すことも少なくなってきた。「チーム防御率は3.86でリーグ4位と褒められるほどではありませんが、昨年よりはマシです。10勝6敗の今永昇太を中心に、ウィーランド、濱口遥大の先発3投手で貯金が11。好調打線に支えられているとはいえ、十分に合格点の成績だと言えるでしょう」(専門誌記者)

 ただ、調子にムラがあり、オールスター後だけでも3連勝が3度、4連勝が1度ある代わりに、3連敗も3度。とにかく勝ち方も負け方もハデな“読めない”チームなのだ。それだけに、シーズン終盤~CSへと至る短期決戦続きの日々においては、ファンは期待と不安が半々、他チームにしてみれば最も不気味な存在だろう。

 さて、この“下剋上三国志”。最後の星が決まるまでに、どんなドラマが待っているのだろう?

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