■天龍源一郎【魂の言葉】

(1)「行くべきときに行く。だから応援してくれる」

 自らのプロレスを「自分は華麗な技を出せるわけじゃない。でも、行くべきときに行くから。ファンの人は、それが見たいから自分を応援してくれるんだ」と話す天龍。ちなみに、この映画のDVDを他のレスラーに送ったところ「レスラーは自分の出ている場面しか見てないよ。そんな奴らばっかり。というか、そういうやつらがレスラーになるんだよ。でも、グレート小鹿にあんなに尺(フィルムの時間)をとってるなんて思わなかったな(笑)」

(2)「天龍源一郎は時代と戦って終わる。あれには負けたね。1本とられた」

 劇中で総合格闘家・鈴木みのるはこう話している。「天龍源一郎は時代と戦って終わる」。天龍は「あれには負けたね。1本とられた。見ている人は“なんで、このオッサンがオカダ・カズチカと戦わなきゃならないんだよ”って思ってたと思うんだよな。あれで、引退ロードの“オチ”ができた」。鈴木の発言によって、時代を象徴するレスラー、オカダ・カズチカと戦うことが、天龍の“宿命”となったのだ。

(3)「若い奴らに感動するときもあります」

 若いプロレスラーをどう思っているのか?「一つ間違えたらアウトの世界で、若い奴らがクソ真面目にやっているのをみると、若い世代の奴らもプロレスを守っているんだって感動するときもありますよ。もっと賢い奴だったら、もっと稼げることに行ってもいいはずなのに、来るか来ないか分からない試合のオファーを待っているだとか、いつ試合を組んでくれるか分からないのに、練習を一生懸命やったりとか、青春をかけているのを見ると、俺らとは違う真面目さを教えられるときもあります。だから、このプロレスで、功成り名遂げてくれよって陰ながら思う。金を儲けろよ、お前ら家族をちゃんと胸張って食わせてあげられるようにしてやれよって」

(4)「家族を守り切れない。そんな俺じゃイヤだ」

 引退を決めた理由は何だったのか?「リングの中で頑張れると思う人はリングの中で頑張ればいいけど、ええかっこしいを言わせてもらえれば、体がボロボロになってしまえば、なんかあったときに家族を守り切れない。そんな俺じゃイヤだというのがあったんです」

(5)「週刊大衆の歴史は長いよね~」

 本誌にも熱いメッセージをくれた!「週刊大衆の歴史は長いよね~。でも、言っちゃ悪いけど、昔はもっと、若い俺たちの気持ちを晴らしてくれる写真が多かったよね」 精進します!

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)
本名、嶋田源一郎。1950年2月2日生まれ、福井県出身。T189センチ、W117キロ。13歳で角界入り。最高位は西前頭筆頭。76年に引退し、対テッド・デビアス戦でプロレスデビュー。15年の対オカダ・カズチカ戦を最後にリングを降りた。日本人で唯一、ジャイアント馬場、アントニオ猪木2人からフォール勝ちするなど数々の名勝負を繰り広げ、ミスタープロレスと呼ばれる存在に。現在は滑舌の悪さを武器に(?)、バラエティ番組などで活躍中。現役時代の得意技は天龍チョップ、パワーボム、グーパンチ。

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