■タバコ、深酒にも注意したい

 (5)の喫煙は、タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させ、血圧が高くなるからだ。一説には、喫煙によって約20も血圧が上昇するともいわれている。また、(6)の飲酒についてだが、適度な飲酒はストレス解消になり、血圧を下げる効果もある。しかし、「深酒は血圧を20も上げるというデータもありますから、くれぐれもご注意を」(大学病院の内科医)

■階段上りや運動はやり方によって危険

 ところで、健康のためにと思い、エレベーターなどを使わずに、わざわざ駅や会社の階段を駆け上っている人からすれば、(7)はショックが大きいのではないだろうか。しかし、こうした運動も、やり方によっては血圧サージを招きかねない。「若者や、日頃からある程度運動している人ならいいのですが、そうでない人が無理して運動をすると、瞬間的に血圧が20以上も上昇し、心筋梗塞を起こすこともあるのです」(前同)

 さらに、それが通勤途中、それも月曜日だったりすると、前述の(3)も重なり、とんでもなく血圧が急上昇する危険性もあるので、十分な注意が必要だ。「通勤途中につり革につかまって、つま先立ちするなど、時間を有効に使い、健康増進に心がけている人もいるかと思いますが、ストレスのかかる状況下での運動は、リラックス時のような効果は望めません。それどころか逆効果になることもあります」(同)

●ゴルフ場で突然死する人も…

 ちなみに運動については、(8)のゴルフによる危険性を岡田氏は指摘する。「無理をして早朝から出かける場合も多いでしょう。しかも接待ゴルフとなれば、血圧はさらに上がります。実際に、ゴルフ場で突然死する人も少なくないのです」 ゴルフのラウンド中での突然死は、年間約200人というデータもある。

■睡眠不足、熱めの風呂も血圧サージを招きかねない

 そして、(9)の睡眠不足。これも血圧を20も上げる。また、眠りが浅いと、朝起きたときに血圧が普段より高くなるとのデータもある。

 最後に(10)の熱めの風呂(43℃以上)も血圧を上げるので注意したい。今のような寒い季節は、湯船の中と、浴室から出た際の寒暖差が激しい。この寒暖差によって、血管は急激に収縮し、血圧が急上昇することもある。「この季節、長湯は禁物です。また、脱衣所を温めるなどの対策も必要でしょう。ちなみに最近、大相撲の二所ノ関親方(元大関・若嶋津)が倒れたニュースもありましたが、サウナも温度差が激しいので、年配の方にはお勧めできませんね」(前同)

 浴室における突然死の数は、交通事故死者数の4倍以上、年間で軽く1万人を超えている。それも、冬季に集中しているのだ。

 さらに前出の牧氏は、風呂以外の寒暖差にも注意すべきだと言う。「特に高齢者の場合、冬に布団から出るときは靴下、スリッパを履くなど、急な寒暖差を減らすように留意したほうがいいです。足の冷えは、血圧上昇の要因となりますから」

 以上を参考に、特に危ない冬場、血圧サージで倒れたりしないよう、くれぐれも注意してほしい。

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