「スーパーファミコンは最高のハード」当時の感動を振り返るの画像
「スーパーファミコンは最高のハード」当時の感動を振り返るの画像

「スーパーファミコン」。30代半ば以上の本誌読者で、この言葉に血沸き肉躍り、魂がたぎらない人はいないのではないだろうか。ファミリーコンピュータの後継機として、1990年に発売。当時としては画期的な32768色の表現力で、子どもたちのゲームライフをグッと豊かにした大ヒット機種だ。『スーパーマリオカート』『ストリートファイター2』『ドラゴンクエストⅤ』などの名作を次々に生み出し、日本国内だけで約1710万台を売り上げたが、やがてプレイステーションなど“次世代機”が台頭し、1998年発売の『ロックマン&フォルテ』が最後のソフトとなっていた。

「しかし、“異常事態”が起きているんです。まず昨年4月8日に、なんと20年ぶりの“完全新作ソフト”『ザ・ダークネス・ハンター~アンホーリーナイト~魔界狩人』が登場。オールドゲームファンを驚愕させました。さらに一昨年6月30日には、かつての人気シリーズの最新作『改造町人シュビビンマン零』が発売され、9月29日には『アイアンコマンドー-鋼鉄の戦士』が22年ぶりにオリジナル復刻。今年初頭には『美食戦隊薔薇野郎』も復刻発売予定だそうです」(ゲーム雑誌編集者)

 極めつけは、スーファミの発売元である任天堂が昨年10月に売り出した『ミニスーパーファミコン』だ。スーファミを手のひらサイズにリメイク。『F-ZERO』『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』『スーパーマリオカート』『聖剣伝説2』など名作21本、さらに、かつて開発に着手されながらお蔵入りとなった『スターフォックス2』まで収録した内容に元ゲーム少年たちが狂喜乱舞し、瞬く間に店頭から姿を消した。

 いったい、この“スーファミ・リバイバル”は、どういうことなのだろうか? 本誌は、ゲーム雑誌編集者A、ゲームカフェ経営者B、そして単なる元ゲーマーのライターCを“召喚”。それぞれのスーファミ愛を語り合ってもらった。

■ポリゴン感が残っていてよかった

 ミニスーファミ、買いました?

 もちろん! ほうぼうに手を回し、万全の予約態勢で手に入れました。

 『スターフォックス2』、どうでしたか?

 90年代に開発途中だったところまでしか収録されてないので、1ステージクリアしたら終了。拍子抜けしましたけど、前作と違って、ちょっとシミュレーションゲームっぽい部分もあり、またスコアをランクづけできるので、何度もプレイし直して楽しめる感じですね。

 グラフィックも変にキレイになってなくて、前作のカクカクしたポリゴン感が残っててよかったです。

 ポリゴン! そうですよね~。スーファミの後期って「いかにゲームで3Dっぽい表現をするか」の競争になってましたからね。ゲームセンターで『バーチャファイター』が流行り始めた頃、カクカクした立体っぽい感じがすごく“未来”の雰囲気で、ワクワクしたのを覚えてます。

 それが今やプレステ4の時代で3Dなんて当たり前だし、VRなんかも簡単にできる。嘘みたいです。

■スーファミを初めて触った頃の興奮

 スーファミを初めて触った頃なんか、『ストリートファイター2(以下、スト2)』のキャラクターが技の名前をしゃべるだけで「声が出る!」って、大興奮してましたけどね(笑)。

 そもそも、絵だけで感動したよね。ファミコンからいきなりスーファミのフルカラーを見た世代だから。

 『スト2』は衝撃的だった。91年の発表当時、横浜のゲーセンで、30台くらいズラッと並んだ『スト2』に子どもから大学生まで群がってたのを覚えてます。翌年スーファミに移植されて、どうかな? と思ったら、操作性が完璧に再現されてて、感動したなあ。

■当時の対戦格闘ゲームはよくできていた

 対戦格闘ゲームって今でこそ当たり前だけど、キャラが止まってるときも、ただ突っ立ってるんじゃなく、前後に小さくリズムを取ってるのが、本物のケンカっぽくて好きだった。

 ああ……。そういう細かいとこ、よくできてましたよねえ。当時は日本車が世界中で売れてて、仕事を奪われたアメリカの労働者が「ジャパン・バッシング」と言って日本車を壊したりしてた時代だけど、それをもじって港で車をぶっ壊すボーナスゲームを入れたりとか、トンチも効いてて。

 学校で朝から「ヨガ、ヨガ」と言ってパンチしてくる同級生、いたなあ(笑)。ファミコン時代は圧倒的な王道ジャンルだったシューティングが、90年代に入って人気がなくなって、代わりに『スト2』をはじめとする格闘ものの時代になったんですよね。

 『スト2』以降、猫も杓子も対戦格闘テイストにしてればいいと思ってる節、あったよね。『ドラゴンボール』みたいなのはまだ分かるけど、94年に出た『松村邦洋伝最強の歴史をぬりかえろ!』のように、やけにリアルな松村が「バウバウ」「ピロピロ」っていう技を駆使して、ゲーム会社に自分のゲームを作らせるべく戦うという、徹頭徹尾ワケの分からないクソゲーもあった。

 ギャハハハ! 何ですか、それ(笑)。

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