「肩・ひざ・腰」真冬の厳しい痛みを和らげる方法の画像
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 強烈な大寒波が到来――ヒェ~ッ! と、激痛に悲鳴を上げるのも仕方ない。加えて、慣れない「雪かき」などに励めば、鈍痛も疼痛も悪化するのは当然だ。一日中、こたつでヌクヌク過ごせればいいが、そうもいかないのが現代の男の宿命。この痛み、どうすればいいのか。「カンタン処方Q&A」でお届けしよう!

 辛いのは、あなただけではない。冬の今、整形外科、整骨院に、“肩ひざ腰”の痛みで来院する患者が急増中。行列を成すことも、しばしばだというのだ。「冬になると、明らかに患者さんの数は増えますね」と言うのは、『高円寺整形外科』の大村文敏院長。寒さで体温が低下。すると、筋肉が硬くなり、血行も悪化してしまう。「血行が悪くなれば、筋肉に溜まった“乳酸”などの疲労物質が体内に蓄積されます。これが神経を刺激して、痛みを引き起こすんです」(前同)

 冷えは“肩ひざ腰”の痛みに直結するのだ。さらに、「寒くなると、体が前屈みになりがちで、肩や背中などの筋肉に、余計な負担がかかってしまいます。これも痛みが出る原因の一つです」と言うのは『ハートフル農大通り中央整骨院』(スマイルアンドサンキュー株式会社)の木村隆史院長。冬は“肩ひざ腰”にとって最悪の季節なのだ。加えて、「口に冷たい水を含むと、歯に染みやすい。それと同じで、冷えは痛みを感じやすくさせる働きがあるんです」(医療ライター)

 つまり、冷えの撃退こそが“肩ひざ腰”に肝要なのだ。しかし、いったい、どうすれば……?

■寒さ対策「ウルトラC」は? 全身ぬくけりゃ痛みは急減

 温めることが“肩ひざ腰”にイイ。では、そのウルトラCはあるのか……あるんです! 第1は、“使い捨てカイロ”。「辛い部分に貼ると、痛みが緩和されます。コンビニで買うと、1つ100円近くしますが、ドラッグストアでは、30個で500円ほどで買えます」(前同)

 慢性の痛みは、冷やしては絶対にダメ。患部を温めれば、筋肉が柔らかくなり、血行も良くなる。加えて、「寒さは、手首、足首、首筋から来るといわれます。こうした部位や、肩甲骨の間の上方にカイロを貼ると、冷え対策となるでしょう」(前出の木村院長)

 手袋、靴下、マフラーなどの防寒具も、ぜひ身につけたいところ。「使い捨てカイロは、低温やけどの恐れもあります。長時間の利用時には、熱すぎないようにだけ、注意をしてください」(前出の医療ライター)

 続けて、第2の“温めウルトラC”は「食べ物」。木村院長によると、「体を温める食べ物を摂ることで改善する」と言う。「冬が旬の食べ物、そして、寒い地方が原産のものは、体を温めるように働きます」(前同)

 果物ならリンゴ、サクランボ、ゆず。反対に、バナナ、パイナップル、レモンなど南国のものは体を冷やすという。「野菜類なら、ユリ科ネギ属のニラ、ニンニク、玉ねぎを食べてください。イオウ成分を多く含んでいて、漢方医学では、こうした野菜が体温を上げるとされています。魚では、北国の代名詞――鮭が体を温めます」(漢方専門医) 石狩鍋が北海道で食べられるのも自然の理!?

 第3のウルトラCは“風呂”。ギックリ腰やらの急性の痛みでなければ、バッチリ効く。少しぬるめのお湯に20分ほどつかると良い。温泉も良いという。「体を温める塩化泉、血行を良くする炭酸塩などの泉質だと、なおいいでしょう。それに、大きな浴槽であれば、その中でストレッチもできます。ストレスの解消効果もあるので、痛みを和らげる“体内モルヒネ”の分泌も促されます」(前出の大村院長)

 温熱効果に加えて、自律神経を整える“サウナ”入浴も、痛みに効く。しかし、暑い。それなら、運動したほうがいい? というのは、分かっている。分かっているんだ……。

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