「相撲協会VS貴乃花親方」元力士・大至が語る全内幕の画像
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「テレビに出る際は、批判はしない、どっちの味方でもないことを念頭において、しゃべらせていただいたんですが、どうもしっくりこなくて。なので、自分の思っていることを、しっかり言おうと思いました」 開口一番こう語った大至氏。元幕内力士のコメンテーターとしてワイドショーでもおなじみのご意見番だ。相撲協会と貴乃花親方の対立、今後の展開とは――。角界騒動をブッタ斬る!

■テレビ朝日の特番は腹立たしい

「一連の不祥事の影響で、相撲甚句を歌いに行くという仕事も突如、キャンセルになりました。イメージが悪いからって。相撲に関する仕事をしている知人も、大きな仕事を断られたと言っていました。それを協会にも分かってほしいですね」

――いまだ、事態は収束しませんよね。2月7日、貴乃花親方がテレビ朝日の『独占緊急特報!! 貴乃花親方すべてを語る』に出演。貴ノ岩への暴行事件について自身の主張を訴え、対立は深まったように見えます。

「特番を見ていると、腹立たしくなりました。このタイミングで、なぜ、こんなことを言うのか。理事選で落選した後の、負け犬の遠吠えにしか聞こえません」

――事件を警察に任せた以上、結論が出るまで沈黙するしかなかったと。

「さかのぼると、昨年の九州場所前、臨時理事会が開かれた際に(元日馬富士の傷害事件が)議題にも上がらなかったとおっしゃっていたが、だったら自分で議題を投げかければいい話。“ちょっと待ってください。貴ノ岩、傷ついていますよ。やったのは日馬富士。彼を本場所に出していいのか”と、僕だったら言います」

――最初から協会に不信感を持っていたからでは。

「それでも“ここが違うんじゃないか”と自分の口で、その場で言うべき。ここにはいられないと思うのなら、協会を離れればいい。僕が理事長なら徹底的に話し合います。“公開理事会でも開いて、皆に聞いてもらおう”と提案します。これだけ世間を騒がせているわけだから」

■横綱としての品格は素晴らしかったが…

――ここまでこじれたのは、貴乃花親方が組織人として足りない点があるからと?

「理事会の中で思想を固め、発言する力がないと、協会は変えられない。理事としての能力は相当足りません。ただ、現役時の相撲に対する姿勢、横綱としての品格は、同じ時代に土俵に立った僕から見ても本当に素晴らしかった。誰よりも稽古をしていたし、誰よりも相撲への真摯な心がありました。優勝回数は22回ですが、中身は40回の白鵬より価値があると思います。ですが、それは現役時代の話。今では、“これだけ実績があるんだ”と、八角理事長や理事会を見下しているようにも見えます。巡業部長時代には、こんなガッカリしたこともあります。巡業先では、力士への伝達事項が記された“能書き”が貼りだされますが、その内容が〈最近、稽古をしないで、部屋で寝ている力士がいます。これでどうやって強くなるのでしょうかと、巡業部長が言っています。副部長〉というもの。昔の親方衆は力士を皆、集めて“稽古するのが、お前たちの仕事だろう!”と直接、叱りました。自分で発信しなければダメです」

――貴乃花親方は理事を8年務めましたが、当初から、そうだったんでしょうか?

「2010年の“貴の乱”のときは勇気のある行動だと思いましたよ。馴れ合いというか、順番に理事へと上がるやり方に一石を投じた。その点は評価しています。貴乃花親方が初めて理事選に出たのは、(暴行事件や角界薬物汚染など)不祥事が続いていた頃。その当時、僕は“協会を変えられるのは、あなたしかいない”と、貴乃花親方に手紙を書きました。これほど一般の方に影響力がある親方はいませんからね。それだけ期待していたので、今回は残念で仕方ありません」

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