■塩ラーメンは函館、豚骨ラーメンはやはり九州

 塩ラーメンは、ほぼ函館一択だ。というのも、「塩ラーメンは、醤油や味噌で味をごまかすことができません。本当にうまい塩ラーメンを作るのは、至難の業なんです」(同) 透き通ったスープから、絶妙の旨味が立ち上がる塩ラーメンは意外に少ない。

 九州で生まれた豚骨ラーメンは博多が名高いが、発祥の地は同じ福岡の久留米。「一口に豚骨スープといっても、博多ラーメンは久留米ラーメンほど、くどくない。博多のスープが使い切りなのに対して、久留米のスープは継ぎ足し。長年かけて作ったスープに毎日継ぎ足していくやり方。その分、濃厚ですが、やや臭みが強いとも言えますね」(はんつ氏) 

 麺が細いのも博多ラーメンの特徴。細麺は伸びが早いため一玉を小さくして替え玉をするのが博多流だ。「同じ豚骨でも鹿児島ラーメンはあっさり系。熊本ラーメンはマー油と呼ばれる焦がしニンニク油、ニンニクチップを使った濃厚な味です」(グルメ誌記者)

■変わり種も魅力的

 ご当地でしか食べられない変わったラーメンも多い。だしや具に、さんまをフル活用した岩手の大船渡さんまラーメンは、その典型だ。

 はんつ氏が注目するご当地ラーメンは、瀬戸内海に浮かぶ愛媛県の大三島で、この4月から本格的にスタートする猪骨ラーメン!「大三島では増えすぎた野生の猪をご当地ラーメンに利用することにしたんです。豚骨ならぬ猪骨スープ、猪肉のチャーシューは、野生の猪のワイルドなイメージとは裏腹に、味わいまろやか。これは、意外な人気を呼ぶかもしれませんよ」

 日本人のソウルフード、ご当地ラーメンの世界は奥が深~いのだ!

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