『ブラックペアン』、内野聖陽の“怪演”が視聴率を押し上げる!?の画像
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 二宮和也(34)が主役の渡海を演じる医療ドラマ、日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)がここにきて好調だ。先週の第8話の平均視聴率がなんと16.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)。これは、これまでの平均最高視聴率を大きく上回る。物語も終盤を迎え、注目をされているのは分かるが、一気に視聴率が上がったのはどうしてなのか。ここでは前回の放送を振り返り、人気急上昇の理由を探ろう。

 手術支援ロボット、東城大学でのカエサルを使った手術を、帝華大学で中継することが提案された。東城大学の佐伯教授(内野聖陽/49)は、帝華大学の西崎教授(市川猿之助/42)が執刀することを条件に、これを受け入れる。ここで渡海が、西崎の助手に手を挙げ、周りを混乱させた。その頃、佐伯も不穏な動きを見せていた。これをいぶかしんだ東城大学研修医の世良(竹内涼真/25)と看護師の花房(葵わかな/19)は、佐伯が他の病院へ検査に行っていることを突き止める。そして、いよいよカエサルを使った手術が始まる。手術は帝華大学の思惑通り進むと見えたが、思わぬアクシデントが起こる。うろたえる西崎たちをよそに、一度は手術から外された渡海たち東城大チームが手術着で現れ、窮地を乗りきるかと思いきや、そこに佐伯がやって来て、見事手術を成功させてしまうという展開だった。

 この放送回は、帝華大学と東城大学の直接対決、という分かりやすい構造で、視聴者も入り込めたのではないだろうか。注目すべきは、初めて渡海の思惑が外れてしまったということ。手術室に現れた佐伯が「邪魔!」という渡海の決めぜりふを吐いたシーンは、渡海が初めて敗者となった瞬間を象徴するシーンだった。毎回続いてきた“渡海登場からの一件落着”という、ドラマの定型をぶち壊したのだ。

 もちろんTBS側の、総集編を何度も放送するという、見事なアピールが功を奏しているというのもあるだろう。第8話放送日の6月10日の午後にも、総集編が放送され、これまでドラマを見ていなかった視聴者も取り込むことに成功した模様だ。

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