志尊淳
志尊淳

 いよいよヒロインの鈴愛(永野芽郁/18)のマンガ家デビューが決まった、先週の連続テレビ小説半分、青い。』(NHK)。脚本家の北川悦吏子(56)が自身の代表作『ロングバケーション』(フジテレビ系)のオマージュを劇中劇で展開させるなど、連日話題に事欠かない。とはいえ、先週最も輝きを放っていたのは、ボクテこと藤堂誠(志尊淳/23)だったのではないだろうか。ここでは、先週土曜日、6月16日の放送回を振り返ってみよう。

 ボクテは鈴愛のマンガ『神様のメモ』を盗用し、雑誌デビューを果たす。秋風(豊川悦司/56)はこれに怒り、ボクテが受賞していた雑誌『ガーベラ』新人賞を取り消してしまう。そして、ついには自分の作品を簡単に譲り渡した鈴愛にもクビを宣告。ユーコ(清野菜名/23)も含め、三人で秋風に謝りにいくが、秋風の怒りは収まらず、ボクテのクビが決定してしまう。しかしボクテの涙ながらの謝罪のおかげで、鈴愛のクビは取り消しになり……という展開だった。

 この放送回含めて、先週はボクテが主役だった。志尊淳のチャーミングさに胸を打たれた視聴者も多いのでは。SNS上でも「細かい表情に説得力がある」「ボクテロスなんて言葉じゃ表せない」など、志尊の演技や、ボクテというキャラへの愛があふれるコメントが相次いでいた。

 志尊淳は2014年の『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)で人気を博した、戦隊ヒーロー出身の俳優だ。近年その人気が一気に高まり、17年公開の『帝一の國』や『覆面系ノイズ』など、話題の映画にも続々出演。満を持しての朝ドラ出演と言える。志尊が演じたボクテは、漫画家の卵である前に、同性愛者という役だった。志尊は、昨年放送されて話題となったドラマ『女子的生活』(NHK)で、見た目は女性だが実は男性で、女性が恋愛対象という、トランスジェンダーの役を演じている。ボクテとは設定が違うが、この役柄がボクテの演技に役立ったことは間違いないだろう。

  1. 1
  2. 2