■岩本輝雄の予想はポーランドを完封!

 そんな西野朗とは、どんな男なのか。大好物のとろろをロシアの地にまで持参した、この策略家をひも解くうえで、関係者が口をそろえるキーワードがある。それは、意思の強さと“攻撃”への強い執着心だ。「マイアミの奇跡に対する当時のサッカー協会の西野監督への評価は低かった。その反骨心が、攻撃的な“西野サッカー”につながっていると思われます。長く務めたG大阪の監督時代、『守備的』という言葉を使われると反発するなど、この言葉に非常にセンシティブでした。積極的に攻め、運も引き寄せたコロンビア戦の布石は、このときからあったと言えます」(福田氏)

 また、選手に対しては自主性と対話を重視し、元ベガルタ仙台監督・手倉森誠と元ベガルタ仙台主将・森保一という両コーチを起用しているのは、その象徴だ。「2人とも人間性に優れている。手倉森コーチは仙台の躍進が象徴するように、選手の気持ちを持ち上げる稀代のモチベーター。森保コーチは常に冷静で、どんな相手もリスペクトして接するから、みんながついていく。2人の“ベガルタOB”がチームの団結力を高めている」(岩本氏)

 コロンビア戦後、岩本氏は森保コーチに電話したという。2人はベガルタ仙台のかつてのエースと主将という間柄で、森保コーチを愛称の“ポイチ”と呼ぶ。「ポイチは全然興奮していなくて、至って冷静に、日本代表は“もっともっと良くなる”と言っていた。その言葉を信じているよ」

 小誌前号でコロンビア戦のスコアを見事に当てた岩本氏は、「ポーランド戦は1-0で勝つ。そして、日本初のベスト8まで行く」と鼻息も荒い。

 予選突破、そして未踏の領域へ。その鍵となるのが、一体感とセットプレーだ。「短期決戦では、勝つことでチームの一体感がさらに生まれ、そして、それが驚くような力を生む」(前同)

 そして、日本代表が初戦で挙げた2得点がそうであるように、「今大会はセットプレーからの得点が非常に多くなっている」(福田氏)「CKからの大迫の決勝弾は、それまで柴崎が蹴っていた速いボールとは違って、本田が入れた緩めのボールが相手守備陣のタイミングをズラしたことが大きい。流れに関係なく得点できるセットプレーだけに、西野さんも策を練って準備しているはず」(岩本氏)

 ロシアで旋風を巻き起こしたサムライブルー。奇跡の神話はまだ終わらない。

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