■この一冊は、自分にとって聖書みたいなものです

 でも、僕のサービス精神の原点は、瞬間最大風速で“日本一の嫌われ者”になったことでしょうね。

 相方のHGが大ブレイクしたとき、僕もRGを名乗って、便乗しようとした。で、プロレスの『ハッスル』に参戦したら「誰だ、オマエ!」と延々と大ブーイング……あれはキツかった。ネットを見たら「母校の恥さらし」なんて書き込まれてるし、「どうせ、みんな、俺のこと嫌いだろ?」って、ファンからの握手も無視。やさぐれていましたね。

 でも、そんなゴミのような扱いだった僕を、あるあるではみんな求めてくれる。「本当にありがとうございます」という気持ちで、サービスするようになったんでしょうね。

 東日本大震災の後も、ツイッターでの“あるある荒行”は続けていました。震災の日、オールナイトで予定していたあるあるのイベントが中止になったんですよ。それを楽しみに地方から来た人もいたけど、泊まるところもない。申し訳なくて、自分なりのやり方で勇気づけるしかないと、1か月くらい毎晩ずっとツイッターであるあるを言ってましたね。

 あのとき、芸人は何をしていいのか分からない状態でしたよね。ツイッターで面白いことを発信しようとしていたのは、僕とデーブ・スペクターさんだけだったんじゃ? 天津の木村からは「こんなときに人を笑わしてすごいです。僕のエロ詩吟では何もできず……悔しい」とメールをもらいました。その気持ちに熱くなりながら「確かに今オマエは動いちゃダメだ」と思いましたけど(笑)。

 中学時代、清水ミチコさんが好きでした。人のしないモノマネ、演奏の技術、絶妙なセンス。「カッコいい! あんな人になりたい!」と憧れていました。

 紆余曲折を経て、辿り着いた“あるある”は、好きな歌を歌いつつ、笑いも取れる。自分の好きなものが詰まっているし、「清水さんに少し近づけたかな」と満足感もありますね。

 でも、歌と違って、あるあるって、テレビ、イベント、ツイッターなんかで膨大に発信しても、まったく残らない。それが今回、『あるある黙示録』という本として形に残せたのは、うれしいですね。

 最近、あるあるって物事の核心を突いた「真理」なのではと思えてきました。だから、この一冊は、自分にとって聖書みたいなものです。

 え、「最後に『週刊大衆』あるあるをお願いします」? もちろん、リクエストにお応えします。「表紙の写真がバストアップがち」です!

レイザーラモンRG(れいざーらもん・あーるじー)
本名、出渕誠。1974年6月8日、熊本県上益城郡甲佐町生まれ。小学4年から高校卒業まで、愛媛県八幡浜市で育つ。1997年10月、レイザーラモンHG(住谷正樹)とお笑いコンビ「レイザーラモン」を結成。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。渾身の著書『あるある黙示録』(双葉社)が好評発売中。

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