連続テレビ小説『まんぷく』（ＮＨＫ）は、萬平（長谷川博己／４１）が暴走したあげく、理事長を務める信用組合が大変な事態に陥っている。まずは１月１２日の放送を振り返ってみよう。
萬平は信用組合の理事長という立場を忘れ、融資先の町工場、織田島製作所で万能調理器の製作に入れあげる。福子（安藤サクラ／３２）や真一（大谷亮平／３８）はこれを心配するが、後日、萬平は完成した万能調理器を披露。自分たちの土地と家を担保に入れて融資を受け、万能調理器を商品化したいと福子と鈴（松坂慶子／６６）に告げる。そして、反対する福子と鈴に、自分が本当にやりたいことはものづくりだと熱弁した。
萬平の狂気にあふれた暴走っぷりが、ここのところスゴい！ 信用組合の理事長なのに、私的感情丸出しで織田島製作所への協力を続け、家庭を顧みず家を担保に入れてまで自分の道に突き進む……。萬平の言動はここのところ狂気じみていて、テレビ越しに見ていてもハラハラさせられる。そのおかげで視聴者はより一層、ヒロインの福子に感情移入せざるをえないのだが、これが演出の狙いなら、うまいとしか言いようがない。だが、この萬平が見せる「狂気」こそ、俳優、長谷川博己の真骨頂ではないだろうか。
