■長谷川博己は出世作でもサイコな役だった

 長谷川博己が全国的に知名度をあげたのは、2010年のドラマ『セカンドバージン』(NHK系)や2011年の『家政婦のミタ』(日本テレビ系)などの人気ドラマだが、ハセヒロファンから今も高い評価を得ているのが、2014年放送の『MOZU』(TBS系・WOWOW)だ。「萬平さんもいいけどMOZUのハセヒロは最高」などツイッターでも話題になるように、このときに長谷川が演じた犯罪者、東和夫はハセヒロの当たり役だった。

『MOZU』は西島秀俊(47)主演のサスペンスドラマで、TBS、WOWOWの共同制作で劇場版も製作された。東和夫は、西島が演じる主人公の刑事、倉木と敵対する犯罪エージェント役で、狂気に満ちたハイテンションな芝居が注目を集めた。エキセントリックな言動とクールさを兼ねそなえたサイコなイケメン悪役は、ドラマを盛り上げるだけでなく、俳優、長谷川博己の演技力を世に知らしめるにぴったりの役だったのだ。

 映画『シン・ゴジラ』に代表されるような冷静沈着な演技も得意な長谷川博己だが、『MOZU』で見せた、エキセントリックな演技こそ得意中の得意。その後、長谷川は2016年のドラマ『獄門島』(NHK)で名探偵金田一耕助を好演したが、このときも叫ぶシーンを連発! それまでの金田一幸助のイメージを一変させる、エキセントリックなキャラクターで世をざわつかせた。

 人間の「狂気」を表現させたら、今や当代随一の長谷川博己。だからこそ猪突猛進、やりたいことがあると歯止めがきかなくなる萬平役に選ばれたのかもしれない。やることなすこと一本気の天才、立花萬平が、ハセヒロの新たな当たり役になるはずだ。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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