■『アー・ユー・ハッピー?』は人生の教科書

 2004年に出版された著書『アー・ユー・ハッピー?』は、人生の教科書とも言うべきもので、ファンの間では『成りあがり』と同様、“バイブル”になっている。人生に対する矢沢の“攻めの姿勢”は凄まじく、〈人生は自ら切り拓くもの〉〈そんなこと言っているばあいじゃない、勝て、だ〉と、強烈な檄を飛ばす。「年を取れば取るほど、人のせいにしたくなる。会社でウダツが上がらないのは、上司が嫌な奴だからだとか。でも、永ちゃんは違う。あの人は、本当に戦って勝ち続けてきた人だから」(51・食品メーカー勤務)

 かと思えば、がむしゃらに戦うだけではダメだと言うのが、矢沢の懐の深さ。〈人は一瞬のハッピーがあったら、また走れる〉「沁みる言葉だよね。この年になるとさ、毎日同じことの繰り返しでウンザリすることが多い。永ちゃんもライブとレコーディングに明け暮れて、“オレには音楽しかないのか?”って悩んでいた時期があったみたいでさ。でも、08年に活動を1年間休止して、“自分には音楽があった”と思えるようになったと。オレにとって一瞬のハッピーは、永ちゃんのライブに行くことだけどね(笑)」(55・建設業)

 次の言葉も味わい深い。〈人生というのは、失うものを増やしていくゲームなんだ〉「永ちゃんは成功をつかんだように見えるけど、その分、家庭生活が失われたり、部下に裏切られて35億円の借金を背負わされたり、辛酸を舐めてるんです。私も離婚したり、会社が潰れかけたり、いろいろあったけど、つらいときはこの言葉を思い出すようにしています」(59・会社経営)

 何かを失い、元気がなくなる50代こそ、突っ張らなきゃいけないとも言う。「永ちゃんいわく。〈突っ張るってことは倒れないようにしようとすることだから、前に出るしかない〉と。若い頃のイキがりとは違うけど、オジサンと呼ばれる年代こそ、土俵際で突っ張らなきゃいけないと思っています」(54・会社員)

〈年とるってのは細胞が老けることであって、魂が老けることじゃないんだよ〉「年々、体力が衰えて弱気になってる自分がいるけど、69歳で東京ドーム5万人を熱狂させる永ちゃんを見ると、年なんか関係ねえ!って思えるんだよね。私にとって、魂のカンフル剤は間違いなく永ちゃんですよ!」(58・警備員)

 50代にもなると、なかなか人の意見に耳を傾けにくくなるものだが、69歳で今なお現役ロックスターとして活動を続ける“有言実行男”矢沢の言葉なら、素直に心に入ってくるはず。読者諸兄も、矢沢語録をいま一度噛みしめて、“生涯現役”を目指してみてはいかがだろうか。

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