視聴率低迷『いだてん』アンチこそ注目してほしいポイントとは?の画像
※画像はNHK『いだてん』番組公式ホームページより

 第5話の放送で視聴率が10.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、早くも一桁目前になってしまった大河ドラマいだてん〜オリムピック噺〜』。放送開始当初は中村勘九郎(37)ら豪華俳優陣の共演で注目されたが、最近のSNS上では「全然、つまらない」など厳しいコメントも散見される。

 しかし、一方では「いだてん面白いよ〜」「ほんとに毎週おもしろくて今年一年、元気に過ごせそう」など褒めコメントも少なくない。現状では賛否両論なわけだが、「面白さが分からない」という人は、どこに注目すれば楽しく見られるのだろうか? 2月3日の放送を振り返りながら考えてみよう。

 オリンピック予選会に出場した金栗四三(中村勘九郎)は、多数の選手がリタイアする中、最後方からトップを追いかけ、折り返しの時点で4位と大健闘を見せる。そしてついに四三はトップに立ち、そのままゴール。当時の世界記録を大きく塗り替え、盛大に祝される。その夜、眠れずにその日の自分のマラソンを振り返る四三。破れない足袋を作ることが今後の課題だと考え、翌日、黒坂辛作(ピエール瀧/51)が店主を務める足袋屋の播磨屋に出向く。一方、若き日の志ん生、美濃部孝蔵(森山未來/34)は落語家の橘家円喬(松尾スズキ/56)に弟子入りを志願して……。

 この放送回ではマラソンシーンで美濃部孝蔵が実況をするなど、型破りな演出が話題となった。普通のドラマでもそんな設定は珍しいのに、古式ゆかしい大河ドラマでのこのコミカルな演出は、見るものを驚かせた。ただ、このような型破りな部分ばかりが注目され、「今年の大河はいつもと違う」と歴史ファンを遠ざけてしまっているのも、事実だろう。

 しかし、いわゆる時代ものの大河ドラマに親しんできた人でも、今年の『いだてん』は十分に楽しめるはずなのだ。実は『いだてん』では「細かな史実」が丁寧に描かれている。歴史にうるさい人こそ、ストーリーに盛り込まれている史実に注目してほしいのだ。

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