■要潤の忠彦さんが見せた人間味

 そして克子姉ちゃん(松下奈緒/34)の旦那で、タカ(岸井ゆきの/27)の父である忠彦さんも、素晴らしい存在感を見せてくれた。画家としての紆余曲折も見どころだったが、忠彦さんは“家族とのつながり”を描くキャラとして、重要な役どころだった。妻の克子や義母の鈴(松坂慶子/66)と円満に暮らそうとする旦那さんとして、娘2人を愛する父として、実に人間味があふれる姿が描かれていた。ヒロイン夫婦の“仕事”がフィーチャーされる本作において、朝ドラらしい“ホームドラマ”の部分を担っていたのは、実は忠彦さん一家だったのではないだろうか。

 脇役かと思っていたこの2人が、作品全体に安定感と重厚感をもたらしていたことは間違いない。2人とも自然に“さんづけ”で呼んでしまうのは、それだけ彼らのキャラが立っていた証拠だ。ただの“安藤百福の話”に終わらず、奥行きある人間ドラマをしっかり添えたことが、このドラマ成功の秘訣なのである。残りの放送は少ないが、陰の主役である真一さんと忠彦さんの活躍に期待したい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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