我々は何を食べてきたのか!? 外食で振り返る平成30年史の画像
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 平成の30年間は、食が多様化した時代だった。共働き世帯や単身世帯が増え、我々の腹を満たすのは家庭料理ではなく外食となった。平成日本人を形作ってきた外食の歴史に迫る!

 平成が始まった年、1989年はまだバブル真っ盛りだった。好景気に沸く中、人々はみな横並びに贅沢を楽しんでいた。

 ジュリアナ東京など大箱ディスコも全盛期を迎え、全国の盛り場ではタクシー待ちの行列が絶えなかった。

 食においても、さまざまなブームが到来した。特にいまのスタイルのイタメシは、当時定着したと言ってよい。その流れから独立し、ドルチェ(伊語でデザート)のティラミスなどは大流行。ジェラートも次第に普及した。流行に敏感なOLが食の主導権を握った時代と言え、外食産業もそこに狙いを定めていた。特に若い女性の「食の経験値が上がった」ということになる。

 しかし、91年にバブルも崩壊。その影響はしずしずと現れ、95〜96年には決定的となった。「失われた10年(もしくは20年)」と呼ばれる、低成長の時代に入ったのだ。

 そこで富裕層と貧困層の二極化が進み、デフレ傾向が顕著となった。外食産業はその影響をもっとも被った。「しかし、外食自体の需要は増えたんです。遡る86年に男女雇用機会均等法が施行され、共稼ぎ家庭が増え、食事を作るのが主婦という、それまでの常識が崩れていき、外食に頼りがちにもなった」(外食ジャーナリスト)

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