天海祐希
天海祐希

 天海祐希(51)が主演する刑事ドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日系)の第3シーズンが、4月12日からスタートする。天海が演じる叩き上げの取調官、真壁有希子を中心に、40歳オーバーの愛すべきオッサンたちがガッツリ支えるという内容も、時代にマッチ。名バイプレイヤーたちが巧みに演じる心理戦は、ユーモラスなセリフが多いながら、独特の緊張感が漂っている。

 そこに軽やかな弾みをつけるのが、ベテラン“キントリメンバー”に振り回される、警視庁刑事部捜査第一課の“もつなべコンビ”、鈴木浩介(44)と速水もこみち(34)だ。特に速水は、このドラマでは意外なほどの芸達者ぶりを見せる。『緊急取調室』ではあれだけ定着した「オリーブオイルの人」を見事に封印。その高すぎる身長やルックスを逆に利用して、愛すべきポンコツを演じてチームに溶け込んでいるのだ。

 今回はさらに、画像解析のエキスパートとして塚地武雅(47)が加入。さらには2018年2月に急逝した大杉蓮さんも、回想シーンで登場する予定というから、目が離せない。

 刑事ドラマは毎年コンスタントに量産されるが、ここ数年はこの『緊急取調室』をはじめ、チーム全体がキャラ立ちした群像劇が元気だ。それを成り立たせるためには、中心に説得力のある「ボス」を置くことが絶対条件。天海祐希ほど群像劇、チームものの真ん中において場の締まる役者はいない。昭和のカリスマボスが石原裕次郎だとすれば、平成、そして令和はこの人に託してもいいのではと思うほどだ。それほど天海のジェンダーを超えた魅力、大勢を束ねる存在感は唯一無二なのである。

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