■自宅にどっさり積まれた膨大なネタ帳

 前出の週刊大衆担当者が語る。

「東京の月島でもんじゃを食べようとケーシー師匠が言うので、銀座からタクシーを拾ったことがあるんです。そしたら師匠は率先して助手席に乗り込み、シートも倒さず小さくなって『俺はここでいいんだよ』と。僕と女性記者は申し訳なく後部座席に座った記憶があります。それで、皆がタクシーに乗り込むと、師匠は運転手に『近くて悪いんだけど、尖閣諸島まで行って』と(笑)。僕らと会うときは24時間365日“芸人モード”でしたね。当時、すでに80歳を超えていらっしゃったので、凄いのひと言です」

 ケーシーさんの芸人魂は膨大なネタ帳に象徴されたという。

「自宅には大学ノートにメモされたネタ帳がどっさり山積みされていました。リビングには全国紙とスポーツ紙が置かれ、テレビのニュースも欠かさず見ていましたね。“ネタが作れなくなったら芸人は終わり”というのがケーシーさんの考えで、常に世間の動きを勉強していました」(前出の芸能関係者)

 最後に、『週刊大衆』でも披露してもらったケーシーさんのネタの中から特に反響の大きかったものを3つ披露しよう。

「昔は男は結婚するなら処女がいいと言った。そこで当時、流行ったのが処女膜再生手術。ただ今ではお嬢さん方の貞操観念は変わってしまい、手術はすたれてしまった。それでも、日本に処女膜再生手術の名医が一人、現在もご存命です。千葉県の“マクハリ”にいらっしゃいます」

「北朝鮮では男女交際が難しい。だから、ウブなご婦人が多い。殿方が声をかけて肩をちょんと叩いただけでびっくりして“ピョーン”と飛び上がって“イヤ~ン”と驚いてしまう。これを“ピョンヤン”という」

「ご婦人方に注意したいんですが生理中は子宮が非常にデリケートになっており、傷つきやすく炎症を起こしやすいので、性行為は非常に危険です。これを医学的に“入らん(排卵)”と言う」

 以上、グラッチェ! ケーシー高峰さんのご冥福をお祈りします。

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