サバ水煮缶でダイエットも!「食べていい缶詰、ダメな缶詰」の画像
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 庶民に身近な食材である「缶詰」が健康食品として今、注目を集めている。気になる理由を徹底検証した!

「缶詰」といえば、かつては非常食のイメージが強かった。ところが最近は「健康にいい」ということが注目され、スーパーで品切れになるものさえあるという。「一般に缶詰は高温で加熱殺菌され、空気を抜いて密封されます。防腐剤や保存料などの食品添加物は使われていません。総じて価格が安いのも魅力です。5年ほど前からその価値が見直され、スーパーでも取り扱う種類が格段に増え、味も良くなっています」 こう語るのは、B級グルメライターで、缶詰にも詳しい田沢竜次氏。

 中でも近年、テレビ番組などで取り上げられ、健康食として大人気になっているのがサバの水煮缶詰だ。今年4月に出版された、その名もズバリ『さば缶ダイエット』(主婦の友社)を監修した元順天堂大学大学院教授で、現在、「白澤抗加齢医学研究所」所長の白澤卓二氏が解説する。「中高年になると動脈硬化症、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病になりがちですが、その大きな要因は肥満。ダイエットできれば、健康で長生きできるわけです。サバの水煮缶は脳を活性化し、動脈硬化を防ぐDHA、EPAが豊富。サバは魚の中で、痩せるホルモン“GLP-1”の分泌を促進するEPA、DHAが一番多く含まれています。しかも水煮は味が薄いので、肥満の原因になる糖分が少ないんです」

 当然、生や焼き魚として売っているサバにもDHA、EPAは含まれている。「しかしこのDHA、EPAは、スーパーなどの店頭で光や酸素によって酸化して壊れてしまいがち。さらに油や水に溶けやすいので、調理法によっては、さらに分解されます。その点、缶詰には旬の新鮮なサバがそのまま詰められ、真空状態で保存されているのでDHA、EPAがとにかく豊富。しかも骨ごと柔らかく煮てあるので、カルシウムもたっぷり取れます」(前出の田沢氏)

「GLP-1」について、白澤氏が続ける。「消化管ホルモンの一種で、脳に働きかけて食欲をコントロールします。血糖値の上昇を緩やかにし、血糖値を下げるインスリンの分泌を促すことから、このGLP-1の分泌が多い人は痩せやすいんです。そして、このGLP-1を増やすEPAが多く含まれているのがサバなんです」

 一般的な食材でEPAがサバに次いで多いのがイクラ、その次がマグロのトロ。イクラもトロも値が張るが、サバの水煮缶は100円前後で売られていることもあり、比較的安価だ。「大根おろしを乗せて、ポン酢をかけるなど、ひと手間かけるのもオススメ。カレーに入れたり、味噌汁に入れてもいい。サバと一緒に水煮缶の汁ごと炊飯器に入れて、炊き込みご飯にしてもおいしいですよ」(グルメライター)

 だが、サバの水煮缶ばかりでは飽きる。そんなときにはDHA、EPAが豊富な同じ青魚のイワシ、サンマの缶詰で変化をつけよう。「私も実際に食べていますが、これらの魚にスライスしたタマネギを混ぜると、ご飯のおかずにも酒の肴にも実に合う。水煮缶だと醤油を少々垂らすだけでもいい。これなら一人暮らしの不精な方でも、飽きることなく今日から始められるでしょう」(田沢氏)

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