■バスタオルがはだけた瞬間、思わず!

安里「はたから見るだけで簡単に、いい人か悪い人かなんて線引けないですよね。この主人公に限らず、世の中の見え方って、みんな不安定だと思います。私は、簡単に線を引くことが嫌いでして。だから、こういう映画を作りたかった」

ゆま「なるほど」

安里「ついて行っていいのか分からない、危うく不安定に見える人間を描きたかった。それが日々、目にしている現実だと思うから。でも、よくよく目を向けると、そこには一人の人間の純真な姿が隠れていたりするもの。そう思うんです」

ゆま「ちなみに、『週刊大衆』の男性編集者によると、主人公が望遠カメラで覗きながら、風呂上がりの彼女のバスタオルがはだけた瞬間、思わず“おっ”と叫んだそうです」

安里「アハハ。やっぱり、男性と女性では注目するシーンが違うんですよね」

ゆま「ヒロインの佐々木千尋が結婚して、夫にDVを受けるシーンは、やっぱりキツかったです……」

安里「本当に、佐々木千尋を演じてくれた西川可奈子さんは素晴らしい女優さんでした。DVのシーンも役とはいえ、精神的に参ってしまう女優さんも多いんです。その中でも西川さんは、ずっと頑張ってくれました。素の彼女はチャキチャキした関西人で、とても明るい女性なんですけどね」(次回につづく)

あさとまり 1976年生まれ。沖縄県出身。横浜国立大学在学中に映画美学校に第1期生として入学。卒業後、『呪怨 黒い少女』『リアル鬼ごっこ3』『劇場版 零 ゼロ』『氷菓』など数々の映画を製作した。最新作『アンダー・ユア・ベッド』は7月19日から全国公開される。

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