■『座頭市』や『子連れ狼』の三隈研次監督を参考に

安里「たくさんいるので言い出したらキリがないんですけど。私は古い映画が好きなんです。特に大映映画が好き。中でも、『座頭市』や『子連れ狼』を撮影された三隈研次監督の、カット割りは参考にしているどころか、ほとんどパクっています(笑)」

ゆま「アハハ」

安里「もう一人挙げるなら、これも大映映画で活躍された増村保造監督です。今回の『アンダー・ユア・ベッド』も主人公の声で、世界観を作るように心がけましたが、増村監督の作品はまさにソレなんです。女優の若尾文子さんがいつも主演で、だいたい、暗いモノローグで始まるんですよね。それがたまらなく好きで」

ゆま「そうなんですね。私は古い映画を全然知らないんですけど、興味が湧いてきました」

安里「昔の映画は本当にいいですよ」

ゆま「あと、安里監督に一つお聞きしたいことがあったんですが。監督は脚本も書かれていますけど、この場面はどうするべきか迷われたときは、どうやって決断されているんですか?」

安里「そうですねー。私は煮詰まったときは“環境”を変えるようにしています。一度プリントアウトして活字で読み返したり、部屋で読むのではなく、あえて外に出て読んでみたり。すると、第三者的な目線になれるので、意外な発見があったりするんですよ」

ゆま「なるほど~。勉強になります。最後に、監督が今後、撮ってみたい映画を教えてください」

安里「私は沖縄出身なので、沖縄を舞台にした映画を1本撮ってみたいんですよ」

ゆま「おおっ。安里監督の繊細な映像と沖縄の景色とか合いそうです。楽しみにしています。今日は、ありがとうございました!」

あさとまり 1976年生まれ。沖縄県出身。横浜国立大学在学中に映画美学校に第1期生として入学。卒業後、『呪怨 黒い少女』『リアル鬼ごっこ3』『劇場版 零 ゼロ』『氷菓』など数々の映画を製作した。最新作『アンダー・ユア・ベッド』は7月19日から全国公開される。

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