■清原果耶はNHKの秘蔵っ子

 ファッション誌『nicola』(新潮社)の専属モデルとして活動を始めた清原果耶が、女優デビューをしたのが2015年下半期の朝ドラ『あさが来た』だ。波瑠(28)がヒロインを演じたこの作品で、清原は、あさの姉、はつ(宮崎あおい/33)の女中という大役を務めた。亀助(三宅弘城/51)との年の差婚など見せ場もたっぷりで、ドラマデビュー作にして彼女の出世作となった。

 その後も、NHKの肝いりで製作した大河ファンタジー『精霊の守り人』シリーズでは、綾瀬はるか(34)が演じたヒロイン、バルサの少女期を演じて注目された。昨年は初主演ドラマの『透明なゆりかご』も話題に。産婦人科を舞台にしたドラマで、重い問題と対峙する難しい役だったが、このドラマは文化庁芸術祭テレビ・ドラマ部門大賞ほか、さまざまな賞を獲得するなど評価された。彼女をここまで有名にしたのはNHKだと言ってもいい。

 実は清原はこの夏、NHKBSプレミアムの時代劇『蛍草 菜々の剣』、NHKのスペシャルドラマ『マンゴーの木の下で〜ルソン島、戦火の約束〜』に主演する。まるで今回の『なつぞら』への出演がドラマの番宣のように思えてしまうが、これは手塩にかけて育てた女優に対するNHKの優しさとも思える。

 どちらにせよ、記念すべき朝ドラ100本目の『なつぞら』に、注目を集める形でいち押しの女優を起用できたのだから、NHKとしては大成功だろう。サプライズな登場が話題となった清原だが、『なつぞら』での演技も印象的なものだった。未来の大女優として、これからの活躍にも注目したい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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