深田恭子
深田恭子

 深田恭子(36)主演の『ルパンの娘』(フジテレビ系)で8月8日に放送された第5話が、「神回」「保存版」と話題になっている。

 この日はLの一族に一方的な嫉妬と憎しみを抱いている女泥棒、ドロンジョさまと華が対決するという設定だった。深キョンが2009年の映画『ヤッターマン』でドロンジョ役を演じたのは有名。いわばドロンジョvsドロンジョになるのだが、放送開始5分で、華(深田恭子)は「ドロンジョが誰だっていい」とつぶやくのである。せ、先手を打たれた! 脚本に舌を巻いた。

 そして、その女泥棒を演じる田中みな実(32)の振りきった演技も見事のひと言だった。映画『氷の微笑』のシャロン・ストーンを思わせる脚の組みかえは「理想的ハニートラップとはこういうこと」と、女性の筆者ですらひれ伏したくなる色気である。

 さらに「愛だ恋だ言ったっていつかは必ず冷める。そのとき傷つくのは誰よ。バカみたいにずっと好きでい続けているほうでしょ」「しょせん愛なんて……ただの幻よ!」と顔をゆがめながら、しかし元アナウンサーらしく滑舌よく叫ぶシーンは、田中みな実が言うからこそ胸に迫るものがあった。

 数年前までは、あざとさが前面に出た嫌われ女子の代表だった田中みな実だが、今、1周回って同性の好感度が高まってきているという。今回の女泥棒役は、まさにその勢いを倍増するに余りある、素晴らしい演技だった。ぜひこの路線で女優として突っ走ってほしい。

 さらに夫の尊(渡部篤郎/51)の浮気疑惑に嫉妬した悦子(小沢真珠/42)のシーンでは、小沢の怪演が話題に。なんとドラマ『牡丹と薔薇』の牛革財布ステーキが登場! しっかりと値札までついている再現率に、スタッフの本気の遊び心を見た。このぶっ飛ばし具合で行くと後半戦に藤岡弘、(73)の仮面ライダーネタが来てもおかしくないし、どんぐり(59)がいるだけに最終回は映画『カメラを止めるな!』ばりに30分長回しか、などいろんな期待をしてしまう。

 本気といえば、この回で本業のバレエダンサーとしての才能を見せつけた、円城寺輝役の大貫勇輔(30)についても語らねばなるまい。侵入した屋敷で、網目のように張り巡らされたセキュリティを華麗に潜り抜けるシーンは圧巻。ネットでも「惚れた」「やればできるやんけ円城寺」と絶賛の嵐だった。筆者も実はこれまで歌と踊りが上手な“リアル花輪くん”ぐらいにしか思っていなかったが、すっかりトリコだ。再び彼の華麗な身のこなしが出てくるシーンを待ちたい。

  1. 1
  2. 2