■テレビと舞台の違いは?
ゆま「私も一つ質問していいですか?」
志村「お、なんだ?」
ゆま「皆さんはテレビにも出演されていますけど、テレビと舞台で演じるときの違いって、ありますか?」
志村「あ~。一番の違いは、舞台はお客さんがどこを見ても自由なんだよ。台詞を言っている役者だけでなく、その周りの役者を見ていることもあるから、舞台に立っている人間は台詞がなくても、常に自然なお芝居を心がけていないといけないんだよ」
磯山「そうですよね。それでいて舞台はお客さんから遠いから、リアクションも分かりやすくしないといけないし、かといって大げさになってもダメだし……」
志村「オーバーリアクションも本当にうまい人がやると、全然、オーバーに見えないんだよな」
高嶋「それって、すごく難しいですよね……」
志村「そうなんだよ。そのとき、メインで台詞を言っている役者の周りで、下手なオーバーリアクションをされると、お客さんの目がそっちにいってしまうんだよ」
ゆま「私、気をつけないと……」
志村「まあ、舞台の演技は奥が深いんだよ。対してテレビは、カメラの角度や、自分がどう映るかなどを綿密に計算して演技しないといけないから、これはこれで難しいんだよな」
ゆま「リアクションの練習とかは、どうすればいいんですか?」
志村「日常生活でも、自然かつ分かりやすいリアクションをするように心がけることじゃないかな」
磯山「私もそう教えられたので、ずっとやっているんですけど、そうすると、ふだんの会話でも、やたら身振り手振りが大きくなってしまうんですよね(笑)」
高嶋「舞台では、志村さんにアドリブをされると、一番自然なリアクションが取れる気がします(笑)」
志村「それがアドリブの肝なんだよな。予想もしていなかったことを言われたとき、つい出てしまうリアクションこそ、自然であり、面白い。だから俺は舞台で毎回、アドリブを入れるんだよ」
ゆま「私がスゴイと思うのは、同じアドリブであっても毎回、受ける印象が違うんですよね。ちょっとした言い回しやタイミングが違うだけで、同じ台詞なのに、“え?”となっちゃう」
志村「ワハハ。俺は共演者を驚かせるのが何よりも好きだからな。今回の舞台でも、みんながひっくり返るようなアドリブをどんどん入れていくから、覚悟しておけよ」
磯山「怖~い(笑)」