■今も聴き継いでもらえているというのがすごくうれしくて

 それから、バンドをやってみたいと思うようになって、福岡で「ナンバーガール」を結成しました。

 1999年にメジャーデビューすることになりましたが、最初は“メジャー”にすごく偏見があって、自分たちのやり方や感覚を貫き通したいという対抗心を持っていたんです。でも、レコード会社は、すごく理解があって、我々の好きにさせてくれた。これが、今でも音楽を続けていられる理由のひとつかもしれないですね。そこで、“ああせい、こうせい”と押さえつけられていたら、もうやめていたかもしれません。「ナンバーガール」はたった3年の活動になりましたけど、必死にやっていたから、かなり濃密でした。

 解散後、若いバンドマンから“(「ナンバーガール」が)大好きです”なんて言われるんですね。そんな言葉を聞くたび、「ナンバーガール」というバンドの音楽が、今も聴き継いでもらえているというのがすごくうれしくて。そして同時に、俺はまだ生きているし、他のメンバーも誰ひとり死んでいない。じゃあ、やれるうちにもう1回やるか、と再結成を決心するに至りました。

 再結成することになって、久しぶりにメンバーが集まって音を出してみましたが、昔、福岡のリハーサルスタジオでやってた頃とあまり変わらないんですよ。もちろん、それぞれは成長して変わっているんですけど、すごく自然にやれていますね。

 私にとって「音楽」は、本人でもよく分からないような、自分の頭の中の風景を形にするためのツールです。これからもずっと、自分の脳内風景を音楽でドキュメンタリーしていきたいですね。

向井秀徳(むかい・しゅうとく)
1973年、佐賀県生まれ。ロックバンド「ナンバーガール」のボーカル・ギターとして1999年にデビュー。若者からの絶大な人気を獲得するが、2002年に解散。その後、バンド「ZAZENBOYS」などで精力的に活動し、国内のみならず海外でも高い評価を得る。今年「ナンバーガール」の再結成を発表。大きな話題となる。

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