伊藤かずえ
伊藤かずえ

 スポ根青春ドラマの名作『スクール☆ウォーズ』に出演していた伊藤さん。撮影当時の思い出や近況、そしてラグビーW杯日本大会に出場中の日本代表への応援メッセージを語ってくれた!

――世間は今、ラグビーW杯日本大会で盛り上がっていますが、日本のテレビ史では、ラグビーといったら大映ドラマ『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』は外せません。

伊藤 当時、私は大映ドラマに続けて出演していて、この作品が4作めだったんです。それまでは女子高生役で学園ドラマばかりに出演していたので“今度はスポ根モノだ”って、ちょっと新しい感じがしたんですよ。

――物語はラグビー元全日本メンバーの熱血教師・滝沢賢治が荒廃した高校を救い、無名の弱小ラグビー部を全国大会優勝まで導くというもの。原作は実話に基づいた小説でしたね。

伊藤 そう。でも、私が演じた富田圭子という女性は、原作には存在しないドラマのオリジナルキャラクターだったんです。その分、自由に演じることができましたね。

――伊藤さんが本格的に登場したのは第3話「謎の美少女」からでした。圭子は所属が馬術部という設定でしたね。

伊藤 その前に出演させてもらった映画『燃える勇者』(1981年)で乗馬のシーンがあって、1週間練習したら乗れるようになったんです。それ以降、プロフィールの特技欄に乗馬って載せているので、それを見たプロデューサーの方が脚本に盛り込んでくれたのかなって(笑)。そこも大映ドラマらしさというか、馬術部がある高校って現実的には、そんなにないじゃないですか。

――確かにそうですね(笑)。その馬術部のシーンで、恋人でラグビー部員の森田光男の煮え切らない態度に対して“あんた、キ〇タマついてるの?”って言うシーンがありますが、すごくインパクトがありました。

伊藤 アハハハ。今じゃ、絶対NGですよね。

――そうですね、ちょっと厳しいかと思います。あのセリフを最初に台本で見たときは驚いたのでは?

伊藤 あのセリフもそうでしたが、ビックリするセリフはいっぱいあったんですよ。それをいちいち監督に言っても「台本通りにやってくれ」って言い返されるだけだったので、台本に書かれているのをそのまま言うしかないなっていう(笑)。

――そのすぐ後のセリフも“骨は私が拾ってあげる”で、もう女子高生が話す言葉じゃないですよね。でも、伊藤さんが口にするとカッコよかったです。

伊藤 ありがとうございます。あと台本がね、毎回面白いというか、マンガを読んでいるような愉快さがあって、台本がすごく速く読めちゃうんですよ。

――大映ドラマは大げさな表現や、吹き出してしまいそうなクサいセリフが特徴的でしたからね。面白いといえば、白馬に乗って登場するシーンは当時、話題になりました。しかも、セリフが“馬上から失礼します”ですからね(笑)。

伊藤 あそこは今では語り草というか、伝説になっていますよね(笑)。私も、このドラマでは一番印象に残っているシーンです。今はLINEのスタンプにもなっているくらいなんですよ。

――それは知りませんでした。

伊藤『スクール☆ウォーズ』で検索すると出てくるので、よろしくお願いします。そこには滝沢先生のイラストに劇中の名セリフがついているものが多いんですけど、馬に乗っている圭子の「馬上から失礼します」っていうセリフがついたものもあって。これを初めてみたとき、どういうときに使うんだろうって思っちゃったと同時に、ふだん使いはできないわって(笑)。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4