■フジテレビに反発して?恋愛ドラマPも退社

 視聴率を3つの時間帯で区切って集計し、ある期間において1つの局が3つの時間帯の平均視聴率のトップを取る「視聴率3冠王」になることに民放各局は躍起になっている。これまで視聴率3冠王は、日本テレビがほぼ独占していた。しかし今年に入り、テレビ朝日が週間視聴率で3冠に輝くことも少なくなくなってきた。

「テレ朝では、『ポツンと一軒家』などのバラエティ番組も数字を伸ばしていますが、何と言ってもドラマが絶好調なんです。今クールでは、米倉の『ドクターX』は初回平均視聴率20.3%、水谷豊(67)主演の『相棒 season18』の初回も16.7%と、好スタートを切りました。『ドクターX』は医療モノ、『相棒』は刑事モノですよね」(前同)

『ドクターX』と『相棒』に加え、10月クールのテレビ朝日では、沢口靖子(54)主演の『科捜研の女』とオダギリジョー(43)主演の『時効警察はじめました』も、やはり医療や事件解決をテーマにしている。

 また、テレビ朝日では、『警視庁捜査一課9係』『警視庁・捜査一課長』『遺留捜査』『刑事7人』『緊急取調室』と、刑事モノの人気ドラマシリーズがズラリと並ぶ。

「医療モノや刑事モノは高齢者も安心して見られます。なおかつ、テレ朝ではシリーズ化していますから、ファンはずっとついてくる。最もテレビを見る世代である高齢者をがっちり捕まえている、だから、テレ朝は視聴率が良いんです。視聴率が欲しいフジテレビはテレ朝にならって、医療モノと刑事モノを徹底強化していく方針を打ち出したそうですが、フジテレビのドラマ制作現場からは、“テレ朝の真似をするだけでは意味がない”といった反発の声も上がっているといいます」(広告代理店関係者)

 事実、フジテレビのドラマ制作部では、社の方針についていけず、退社する人も出てきているという。

「これまで『恋仲』や『好きな人がいること』などの恋愛ドラマを数多く手掛けてきたまだ若手プロデューサーのF氏が、今年6月末に退社しています。F氏は過去のインタビューで、“ラブストーリーは数字が取れないが、だからこそ勝機があるかも”“若者を標的にしないとドラマが終わる”といった思いを熱く語っています。フジテレビを退社し、自ら映像制作会社を作ったのも、フジ上層部の視聴率だけを求める姿勢に危機感を持ったからなのかもしれません。

 確かに今のテレビのメイン視聴者層は高齢者が中心ですが、こうしたフジテレビの方針は、極端に言えば若者層を無視しているとも言えます。いくら視聴率がよくても、高齢者だけを狙って作って、CMのメインターゲットとなるM1(20歳~34歳の男性)、M2(35歳~49歳の男性)、F1(20歳~34歳の女性)、F2(35歳~49歳の女性)の層が見なければ、単価の高い大手クライアントのCMが入らず、結果、収益にはつながらないんです。当然ながら、フジ上層部もそんなことは重々分かっていますから、医療モノ、刑事モノを強化しつつも、ドラマの方針については常に議論を続けていくものと思われます」(前出の広告代理店関係者)

 人気ドラマシリーズで盤石のテレビ朝日の牙城を、フジテレビが崩すことはできるのだろうか?

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