米倉涼子
米倉涼子

 10月16日、テレビ朝日が記者会見を開き、平日夕方の報道番組『スーパーJチャンネル』の放送内容に“ヤラセ”があったことがあったと発表。

 ヤラセがあったのは今年3月15日放送、『業務用スーパーの意外な利用法』という企画で、担当ディレクターが業務スーパーを定点観測し、珍しい買い物をしている客を取材し、その意外な理由を紹介するという内容だ。

 この企画に登場した買い物客が、番組スタッフである男性ディレクターの知人で、ディレクターは事前に取材日程を教え、店では初対面を装っていた。

 ディレクターは俳優養成教室の講師もしており、買い物客として出演した5人のうち4人は教室の生徒だったという。

 16日の会見で、テレビ朝日の篠塚浩常務取締役と長田明広報局長は、「(ヤラセ、仕込みと)指摘されても致し方ない不適切な演出だったと考えている」と謝罪した。

 さらに10月21日、テレビ朝日の亀山慶二新社長(60)の定例会見が行われ、ヤラセがあったことに言及。「不適切な演出があったことについて、視聴者の信頼を著しく損ねる重大な事案と思っており、改めて視聴者のみなさまにお詫びいたします」と謝罪。同局の早河洋会長ら、役員報酬1か月分の10%を返上するなどの処分にまで発展してしまった。

 担当したディレクターは「番組制作に自信を失っていた」と、ヤラセに手を染めてしまった理由を説明しているという。

「TBSの『クレイジージャーニー』や『消えた天才』がヤラセ問題で打ち切りになりましたが、この2番組はバラエティです。一方、『スーパーJチャンネル』は報道番組。真実を伝えなければならない報道番組でのヤラセとなると、より重く見なければならないでしょう。ただ実は、今回、テレ朝でこのようなヤラセが起こってしまった背景には、テレ朝本体と制作会社との関係が“冷戦状態”にあるからだと、関係者の間ではささやかれているんです……」(キー局ディレクター)

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