■万病の元、ストレスを溜めないように
その一方で、玄米のような精製されていない「茶色い炭水化物」の多くは、食物繊維や栄養素を豊富に含み、肥満や動脈硬化のリスクを下げてくれるという。
「米国、英国、北欧の国々で行われた78万人ものデータを用いて行われた研究で、1日70グラムの茶色い炭水化物を摂取すると死亡率が22%下がり、心筋梗塞や脳卒中といった、動脈硬化によって起こる病気に罹患するリスクは21%下がったと報告されています。糖尿病のリスクも11%下がり、1日50グラムの白米を玄米に置き換えるだけで、糖尿病のリスクを36%下げることができるとも推定されているんです」(前同)
ということで、今日から白米を玄米に置き換え、牛肉や豚肉、ハム、ソーセージを食べずに、魚、野菜、ナッツばかりを食べていれば、丈夫で長生きが現実のものとなりそう――だが、それでは食事が楽しくなくなり、逆に万病の元といわれるストレスが溜まってしまいそうな気が……。
多くの企業や老人ホームなどで栄養指導を務める管理栄養士のshocuicuco氏は、こう話す。
「食品そのもののリスクでいうと、確かに研究の通り、白米は体に悪いと言えるんでしょう。ただ、糖尿病も動脈硬化も、問題の本質が血糖値の急上昇にあることを考えると、ゆっくり、よく噛んで食べる、食物繊維が多く含まれる野菜・きのこ・海藻を食事の最初に食べる、消化吸収に時間のかかる脂質や、血糖値の上昇を抑える働きのある酢を一緒に取るなどの工夫や、適度な運動とも合わせて考えるのが、ストレスを溜めず、食事の楽しみを失わないためにはいいでしょう。最初は三食のうち一食を玄米にする、くらいから始めてみるといいかもしれません」
まずは、簡単なところから。でも、白米はおいしいんだけどなぁ〜。