藤森慎吾「失敗は反省しない」タモリから学んだ人間力の画像
藤森慎吾(撮影・弦巻勝)

 僕の本業は芸人ですが、ありがたいことに、いろいろなことをやらせてもらっています。テレビのバラエティはもちろん、ダンス&ボーカルグループ『RADIO FISH』ではボーカルに加えて作詞もしているし、洋画やアニメの声優、今年はミュージカルにも出演させていただきました。

 その中のひとつが、「俳優」というお仕事。デビュー当時から、ときどきドラマや映画に出演させていただく機会はありましたが、ここ最近は特に増えている実感はあります。ただ、何度現場を重ねても、お芝居ってよく分からない(笑)。僕は、芸人としてコントもやっていませんし、演技の勉強をしたことがない。演技というものにどうアプローチすればいいのか、いまだによく分からないんですよね。

 ドラマや映画は、目に見えるリアクションがないというのも大きいですね。たとえば、お笑いライブやバラエティ番組の収録だったら、自分が何かをやった瞬間にリアクションがあるから「うまくいった!」とか「スベッたな」とか、すぐに分かります。でもドラマや映画では、撮影現場での監督の「OK」というひと言で、次のカットに行く。なかなか手ごたえがつかみにくいんですね。

 今は、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)というドラマで、外科医の村崎公彦を演じています。なにしろ歴史も実績もある超人気シリーズですからね。最初の収録のときはめちゃくちゃ緊張しましたよ! 1話、2話くらいまでは、緊張のあまりセリフが出てこない……なんてことが何度もありました(笑)。

『ドクターX』は、今回で第6シリーズ。米倉涼子さんをはじめとするレギュラーの皆さんの関係性は完成されていますが、そんな中で、僕の存在が、新しいアクセントになればいいなと思って演じています。ただ、実力派の俳優さんたちの素晴らしい演技に圧倒され、あれよあれよという間に撮影が進んでいるというのが実情かもしれません(笑)。

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