アイドルのコンサートは楽しいとか可愛いとか、私にとって明るいものというイメージしかなかったのですが、その時は「乃木坂らしさ」というテーマで世界観が統一されていて、どこか悲壮感やせつなさが漂っていました。そしてその中心に立つ生駒ちゃんの姿があまりにも健気で儚くてかっこよくて。

 ファンの方もただ叫ぶというよりはしっとりしていたんですよ。なんだか自分のアイドルへの価値観が180度ひっくり返されたような感覚を味わい、これはいったいなんなんだろうって。

――確かその頃は前田さんご自身がまだグループアイドルに所属していてライバルという立場もありましたよね。

はい。だから余計に心奪われたのかもしれません。で、その時の感動が引き金となって、次に行った「欅共和国」で決定打を打たれました。欅坂46はさらに世界観が重要視されてるじゃないですか。私、そういうのに弱くて一瞬でドハマリしてしまいました。あ、このグループ推そうって。

――共和国は欅坂の世界観と夏のお祭り感がちょうど良い塩梅なんですよね。

 そうなんです! 野外だし開放感があってテンションの上がり方が独特なんですよね。水をまき散らされますし! でも軍服とか衣装にもこだわってるし。もう夏の風物詩として私には欠かせません。

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