■本木雅弘の演技は悩んだ結果のもの?

 NHK大河ドラマのガイド『麒麟がくる』(NHK出版)に掲載されたインタビューで、本木はこう語っている「私自身は非常に迷いながら方向が定まらずに演じていますが、それも道三の得体の知れない多様性に見えればと都合よく解釈して(笑)、なんとか食らいついているところです」

 新しい道三を作るのが今回、本木に与えられた使命なのだが、どうやら苦戦しているようだ。過去の先輩が演じてきた怪物道三と、本木だからこそのイケメン道三の間で揺れ動いている状態なのだろう。しかし、大味に思える演技は少し残念。モッくんらしい、理知的な演技を取り入れてほしいと思うファンも少なくないと思う。

 そしてもう1人、悪目立ちしてしまっている人物がいる。それが堺正章が演じる望月東庵だ。これは本作のオリジナルキャラだ。バクチ好きだが腕は確かな医師という役で、おちゃらけ&シリアス、両方の演技が求められるが、堺正章の演技もまたアクが強すぎる。

 ミステリアスな好々爺という独特のキャラ設定が過剰な演技につながり、歌を歌うようなおかしな台詞回し、大げさすぎる感情表現につながっているように見える。脇を固めるというよりは、前に出ようと主張しているようにさえ思えてしまうのだ。

 新しい斎藤道三を作り出したい本木雅弘、そしてオリジナルキャラで爪あとを残さんとする堺正章。長谷川博己を食う演技、というと聞こえはいいが、ずっとこのテンションで続けられては、全体のバランスを崩してしまう可能性もある。物語前半のキーパーソンといえるだけに、2人には『麒麟がくる』の脇を固める演技に徹したほうが、物語がより生き生きしてくるように思えるのだが……。(ドラマライター・北条雲助)

※画像はNHK『麒麟がくる』番組公式ホームページより

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