柄本佑
柄本佑

 今クールのドラマで一番注目を集めている俳優といえば、この人だろう。柄本佑(33)。出演中のドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)『心の傷を癒すということ』(NHK総合)、どちらも大好評だ。

 特に、吉高由里子(31)主演の『知らなくていいコト』は、ヒロインの元カレでカメラマンの尾高を演じ、胸キュンする女性ファンが急増。「柄本佑」と打てば「かっこいい」と出てくるほどである。

 そもそもこの人は、昔からカッコイイとキモイを行ったり来たりしている。2015年の連続テレビ小説あさが来た』(NHK)の“白蛇はん”、眉山惣兵衛はその代表的な例で、初登場時は気持ち悪すぎて、彼に嫁ぐはつを演じる宮崎あおい(34)に同情したものだ。それが、どんどんカッコよくなっていって、惣兵衛が死んだときはロスったほどである。

 ドラマ以外で出てくる素の彼は、以前からイイ男ダダ漏れである。安藤サクラ(33)のインスタグラムから見える、理解あるパートナーオーラ。映画のPRなどで炸裂する人なつっこい笑顔。実の弟(柄本時生/33)が「兄ちゃんが世界一カッコイイ」と豪語しているというエピソードも、良いお人柄を感じさせる。

 182センチというスラリと伸びた高身長。賢そうなたたずまい。いい感じで響く低い声。今クールの柄本の評価急上昇に「カッコイイことは前から知ってましたー! みなさん気づくのが遅すぎますー!」と叫んでしまった古参ファンの方も多いのではなかろうか。

 柄本佑には、周囲に流されず本質を見ているような、静かな眼差しがある。「なんでもお見通しですよ、あえて指摘はしませんが」感。だからカッコいいのだが、ケロッととんでもなく残酷なことをやってしまいそうな怖さも、常に同居する。これがクセになる!

 私が柄本の作品で一番強烈に残っているのが、映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』だ。1970年代から80年代にかけて、写真誌『ウイークエンド・スーパー』などで世間をにぎわせた、白夜書房の名物編集長・末井昭氏の自伝を映画化したものだった。

  1. 1
  2. 2