天海祐希
天海祐希

 しっかり面白いのだが、なぜか2%ぐらいのとまどいが残ってしまうドラマ。それが『トップナイフ 天才脳外科医の条件』(日本テレビ系)である。天海祐希(52)演じる深山瑤子の凛としたリーダーシップは、「待ってました!」と言いたくなる路線。『BOSS』(フジテレビ系)といい『緊急取調室』(テレビ朝日系)といい、本当にこの人はまとめ役が似合う。私は石原裕次郎が持っていた永遠のボス感を継ぐのは、天海祐希だと思っている。

 また『トップナイフ』が面白いのは、深山も天才だが、周りがそれを上回る変人天才だらけということだ。

 チャラいが腕は素晴らしい黒岩(椎名桔平/55)、暗いし社会性もないが腕は素晴らしい西郡(永山絢斗/30)、明るすぎるが伸びしろは無限大の小机(広瀬アリス/25)。天海が主役ではあるが、彼女1人だけに重点が置かれているわけではなく、主役が4人という感じである。

 ただ、天海・椎名・永山の3人が演じる医師の設定に私生活の問題を詰め込み過ぎ、話がアッチコッチ行き過ぎて、とまどってしまうのだ。しかも天海と椎名は2人とも「離れて暮らしていた子どもを突然預かることになる」という設定がダブっている。

 そして3月7日に放送される第9話では、三浦友和(68)演じる今出川部長の妻が転院してくる。こちらも事情がありそうだ。舞台となる東都総合病院脳外科は、医師側の背景がいろいろと大変すぎるのだ。見ている側としては、患者のストーリーにもう少し集中したい。

 せめて医師たちが集うBarカサブランカのシーンは、『HERO』(フジテレビ系)の「あるよ」でおなじみ、St.George's Tavern的な「癒し」の場になるかと思いきや、じょじょにバーのマスター来島(古川雄大/32)が闇を出し始めている。困った。

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