■ベストな状態で撮影を

 前出のドラマ制作会社関係者は続ける。

「『半沢直樹』の現場で3密を避けることを徹底するならば、撮影再開後、会議室や役者同士がソーシャルディスタンスがとれていないシーンは外すしかないでしょう。ただ、本当にそんなことをすれば、つまらないものになってしまう。半沢が大和田常務や新たな敵と対峙するシーンで、両者がソーシャルディスタンスを保っていたり、対決が電話での言い合いなどになってしまえば、迫力も何もないものになってしまう。適切な距離を保った上での“倍返し!”なんて見たくないですよね。

 視聴者の心に響かない作品になれば当然、視聴率は落ちていきます。2013年版の『半沢直樹』は、初回は20%に届かない視聴率でした。しかし、“とにかく面白いから見たほうがいい”と口コミが広がり、第7話で30%超え。そして最終回では40%を超える記録的な視聴率を記録しました。やはり話題性だけでは大ヒットにはならない。作品のクオリティが問われるのは間違いないことです。今回の続編はさすがに40%は難しいとしても、30%は取って欲しいという期待がTBSや制作陣にはあると思います。しかし、現在の撮影に足かせのある状況下で、不本意な撮影を決行すれば、作品の質の低下につながり、それで視聴率が下がってしまったら、目も当てられませんよね……」

 日本ドラマ史に残る大ヒットを記録した『半沢直樹』。その続編だけに、ベストな状態で撮影したいというのは、作り手側にすれば当然の願いだろう。

「3密を避けるという縛りがあっては、俳優陣も思い切って演技ができないと思います。それは『BG』もそうでしょう。また『BG』は撮影再開にあたって、スタッフ全員がマスクを着用、ロケは極力減らし、スタジオ内は通気を良くして中に入る人数も限定する、ということですが、エキストラが多く集まるシーンも厳禁とのこと。人数が多いからこそできる、迫力あるシーンは撮影できないというんです。

『BG』も木村拓哉さん(47)を代表する作品になっていくでしょうが、特に『半沢直樹』は日本ドラマ史に残る作品。今回の続編放送までに、堺さんの事務所の意向を組んで7年もの時間がかかりました。ようやく巡ってきた続編の制作にスタッフも出演者も前作を超えるものを作ろうと気合いが入っているでしょうし、絶対に中途半端なものは作りたくないはずです。だからこそ、何かと制約が多い中、急いで作るのではなく、ベストな状態で撮影できるまで待つ。だから、来年以降で改めて出演者のスケジュールを調整して、仕切り直そう、という話が出ていきていると聞こえてきています」(前同)

 中途半端な『半沢直樹』は誰も観たくない。最高の「倍返し」を期待しつつ、視聴者もじっくり待つ必要があるかもしれない……。

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