■叶わなかったコメディアンとしての夢

 もう1つは、やはり“お笑い”についての夢だった。

「浜田が“引退は考えているのか?”と聞いた際に志村さんは“ずーっとやるよ。悪いけど(笑)”“自分は笑いでいったら、まだまだだからね”と、意欲的な姿を見せていました。

 そして、その際に“舞台で死ぬのが理想”と話していたんです。“最期に聞くのがお客さんの拍手と歓声。これは本当にコメディアンとして夢よ”と、生き生きと話していました。当時の浜田は酔っていて“何それぇ(笑)”と笑っていましたが、ワイプに映る現在の浜田は、何とも言えない表情をしていましたね……」(前出の専門誌記者)

 VTRが終わり、浜田は「やっぱ忘れてはいけない人間なんで、そういうこと(再放送)をやればいいんじゃないですかね」と、志村さん関係の番組の再放送の希望したうえで、「いいVTRを見させていただきました。ありがとうございました」と、一礼して、2週にわたった志村さんの追悼企画は終了した。

「SNSでは、“浜田の表情がたまらなかった”“今だったらどんなトークしてたのか見たかったな…”“ワイプを見たら浜ちゃんも泣きそうじゃん…”“面白かったけど、やっぱり寂しい”などなど、多くの反響が寄せられています。今年12月公開の映画『キネマの神様』で、約20年ぶりの映画出演が決まっていたり、NHKの朝ドラ『エール』に出演したりと、演技方面にも期待が寄せられていただけに、本当に残念でなりません」(前同)

 5月20日の東京都東村山市の公式ツイッターによると、4月6日~5月16日に市がウェブサイトで募集した志村さんへの追悼メッセージは、2万2336件にも及んだという。

 スターの姿は永遠に人々の心に残る。浜田もあらためて、志村さんの記憶を刻みこんだことだろう。

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