■楽曲に批判も

 5月2日の『桑田佳祐のやさしい夜遊び』ではリスナーからのメッセージ以外にも「Stay Home Blues」と題したコロナ禍への思いを綴った曲が披露されたという。

「桑田が放送当日に急遽作ったという“Stay Home Blues”でしたが、ステイホームを呼びかけるフレーズがあったほか、“休めと言われて 生活の保障はどうなるの”や“納税者は お国のために頑張ってきた 誰のために未来はあるの”といったコロナ対策へ疑問を投げかけるような一節もあったんです。攻めた内容だったこの曲に、ネット上では“ステイホームブルースなんて恥ずかしいぞ目を覚ませ”や“この人は意外と薄っぺらいから政治批判的な曲は面白くない。恋愛ソングだけかいていれば良い”といった批判が寄せられてしまいました」(前出の芸能記者)

 桑田はこれまでに、サザンとして「さよならベイビー」や「あなただけを〜Summer Heartbreak〜」といった珠玉のラブソングや「BOHBO No.5」、「マンピーのG☆SPOT」など淫れ気味のアッパーチューンでヒットを飛ばしてきた。それだけに社会性のあるメッセージに意外性を感じる人もいるという。

「先日、“#検察庁法改正案の強行採決に反対します”というハッシュタグを、きゃりーぱみゅぱみゅ(27)や小泉今日子(54)らがツイッターに投稿し、なぜか批判されてしまった出来事がありました。このときに“急に騒ぎ始めた”との声があったのですが、桑田の“Stay Home Blues”にも同様の印象を受けた人がいたのかもしれません。

 しかし、代表曲にこそ挙げられませんが、桑田は以前から、風刺や攻撃性のある曲も作っているんです。一般的に知られているサザンや桑田のイメージと違うため、そうした楽曲の存在を知らない人も少なくないようですが、その歴史は長いです」(前同)

 音楽ライターによると、すでに1980年代から桑田は硬派な曲を作っていたという。

「1983年に発表された“YELLOW NEW YORKER”は人種差別に異を唱えた内容になっており、同年発表の“かしの樹の下で”は中国残留孤児がテーマになっています。1985年発表の“悲しみはメリーゴーランド”では、隣国との歴史修正問題を暗に示すようなフレーズが盛り込まれており、重い話も取り上げていたんです」

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